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浸水8市町村400棟超 行方不明者3人に

変わったペケレベツ川の流れで基礎部分が削られ、1メートル以上落ち込んだ住宅。水の流れが激しく、危険な状態が続いている(1日午前10時45分ごろ、清水町清水。新井拓海撮影)

国道・道道6橋が損壊
 台風10号接近に伴う大雨被害で、十勝毎日新聞社は1日までに、十勝管内各地の災害対策本部などへの取材を通じ、各地の浸水被害をまとめた。住宅など建物の浸水被害は1市7町村で少なくとも400棟超に上り、このうち市街地で大規模な河川氾濫が発生した芽室と新得、清水に被害が集中している。ただ、現時点で各自治体とも被害の全貌を把握し切れておらず、今後さらに拡大する可能性がある。一方、新得と大樹、清水では、川の増水に伴う橋の損壊で車が川に転落、計3人が行方不明に。JR根室線で3橋梁、国道・道道で6橋が崩落・損壊するなど交通網にも甚大な被害が出ている。

 十勝管内で住宅などへの浸水被害が確認されたのは1日現在で、芽室、清水、新得、帯広、幕別、音更、上士幌、更別の8市町村。

 芽室では、芽室川の水が芽室公園西側の市街地(計383世帯)に流れ込んだ。町災害対策本部によると、このうち「半数以上に浸水被害が出た模様」。

 新得では、パンケシントク川と中新得川の水が付近の住宅街に流れ込み、川沿いの住宅2棟が流され、床上・床下浸水も「150棟前後で被害が出た恐れがある」(新得町災害対策本部)という。

 清水ではペケレベツ川の河岸がえぐられ、川沿いの住宅の基礎部分から流され6戸が全壊、2戸が半壊。さらに川の水が住宅地に浸水して有明町内会(171世帯)の一部が冠水、町役場を含め少なくとも15~35棟の浸水被害が出た。

 1日には、河岸がえぐられて住宅が流出した地点で、さらに河岸浸食の進行が確認されており、被害がさらに拡大する恐れもある。

 幕別では、猿別川の水があふれて相川、猿別地区で約300ヘクタールが浸水。住民によると、両地区で30棟前後の浸水被害が出ている。

 音更では、音更川と第2鈴蘭川が合流する地点の堤防沿いにある木野大通東8丁目付近で浸水があり、地区住民によると20棟前後に被害が出た模様。更別で4棟、上士幌では少なくとも7棟の床下浸水があった。

 帯広市内では十勝川と札内川の合流地点付近などで、家屋の浸水被害の情報が複数ある。市によると、雨水や川の水が流れ込んだのではなく、地下水位が高まったことで水がしみ出した可能性もあるといい、状況確認を進めている。

 管内の国道は1日正午現在、4路線6区間で通行止め。国道38号狩勝峠、同芽室町東1ノ10-清水町南1間、新得町新内-上川管内南富良野町幾寅間、国道274号日勝峠、同清水町清水-同南4間、国道273号三国峠、国道236号天馬街道が、土砂の流出や橋の損壊などで通行止めになっている。

 十勝総合振興局によると、1日午前11時現在、新得、清水の各一部計350世帯で避難指示、新得と清水の各一部計1402世帯で避難勧告が発令されている。



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