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18歳選挙権~政治は身近ですか(4)「1票の重み」

1票を投じることの大切さを訴える平山さん

生活、将来 自ら選ぶ
 「ようやく女性も1票を投じられるようになり、平等に扱われる。そう思うとうれしくなった」。約70年前の1945年、女性に初めて選挙権が付与された当時を、帯広市内の平山年子さん(96)は懐かしそうに振り返る。

 19日施行の改正公職選挙法で、選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられた。18、19歳にとっては“勝手に降ってきた”かのようでもあるが、選挙権はもともと、ごく一部にしか認められていなかったことに不満を持つ先人たちの運動により、拡大を勝ち得てきた歴史がある。

勝ち取った女性参政権
 日本の選挙権は1889年、直接国税15円以上を納める25歳以上の男性が対象となったのが始まり。当時は全人口の1%の人しか投票ができなかった。1925年には納税要件が取り払われたが、女性参政権はまだ認められなかった。

 当時は女性参政権獲得のため、全国各地で運動が繰り広げられた。4歳から帯広で暮らす平山さんによると、市内でも中心部でデモ行進をするなどの動きがあったという。

 父親の影響で、自身も幼い頃から政治に関心が高かった平山さんは「興味があるのに投票できないという歯がゆさがあった」。45年に、20歳以上の全ての男女に選挙権が与えられたときは、友達同士で「ようやく平等に扱われるね」と喜んだ。初めて投票した選挙では「どんな結果が出るのか、とても楽しみだった」と振り返る。

 選挙権を得てから、平山さんは一度も投票を棄権したことがない。「あまり恵まれた生活ができていなかったこともあり、政治を頼りにしていた」と思いを打ち明ける。今回の参院選(22日公示、7月10日投開票)でも「必ず投票に行く」と断言する。

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 一方で、近年は各級選挙で投票率の低下が顕著になっている。特に若者の投票率が低く、2014年衆院選で20代は約32%にとどまった。十勝管内の学生からも「政治が私たちの生活や将来に役立つのか、実感がない。1票に価値を見いだせない」との声が聞かれる。

 だが、1票は当選の行方に大きな影響を与える。身近なところでは、07年の更別村長選は1219票対1217票というわずか2票差で雌雄が決した。

 平山さんは、政治に無関心な若者にこう語る。「自分たちの生活や生きていく社会を良くするために、自分の1票を大事にしてほしい。投票率が低いと、若者向けの政策が軽視される可能性もある。自分たちの問題だという認識を持ってほしい」(津田恭平、おわり)


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