晴れ着姿 家族でパチリ 成人式の前撮りピーク
来年1月の成人式まで1カ月を切り、帯広市内の呉服店や写真館では、晴れ着姿の前撮り(事前撮影)がピークを迎えている。「一生の記念」を飾ろうとする家族連れらで各店は連日、混み合っている。
京屋呉服店(西1南9、宮本隆夫社長)では平常時の約3、4倍の客が来店している。サクラや御所車などの古典柄が主流で、洋花がデザインされた現代風の柄もある。色は赤やピンクが定番だが、今年は黄緑や水色など、淡い色調の振り袖も人気という。
価格は購入が14万8000円から、レンタルは6万8000円からで、同店は約400枚の振り袖をそろえている。近年はレンタルが主流で、母親の振り袖を仕立て直す人も2、3割いるという。
家族と祖父母で同店を訪れた市内の澤谷春さん(19)は、祖母と母親の2世代にわたって受け継いだ晴れ着に袖を通し、「大人になるという実感が湧いてきた」と笑顔を見せた。そばで見ていた母親の香織さん(49)は「私が結婚式でも着た衣装。娘の姿にほれぼれする思い」と目を細めた。
同店の宮本征和専務は「世代を超えて楽しめるのが和装の魅力。20歳は女性が最も輝く年。お客さまの一生の思い出に残るようお手伝いしたい」と話した。
大和写真館(大通南11、大和俊彦社長)でも、年内最終営業日の28日まで予約が入っている。多い日は1日10組が来店する。新年は元日から営業し、「人生の大きな節目」を心待ちにする親子の需要に応える。
全国チェーンの三松帯広店(藤丸5階、森尾哲也店長)では、帰省時期に合わせ、早くも再来年の振り袖の予約受け付けを始めた。森尾店長は「他社の動きも早いので、うかうかしていられない」と、年始から始まる本格的な商戦に向けて気を引き締める。
各店とも来年3月ごろまで客足は続くとみている。(安倍諒)