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きょう「いい夫婦の日」 農業指導の使命2人で支え合い 芽室

自宅に戻った曜通さん(左)。妻の久留美さんが愛猫のチビと共に寄り添う

 【芽室】町内在住の竹腰曜通(てるみち)さん(60)は35年間、農業普及指導員として道内を転々とし、今春の定年退職後はラオスに渡り、現地の農業振興に力を注いだ。そんな曜通さんをいつも優しく送り出し、母親の介護などに追われながらも、家を守り、支え続けたのが妻の久留美さん(57)。今月17日、4カ月間の業務を終えてラオスから帰国した曜通さんは「これからは2人で、死ぬまでここで暮らせる」と話し、久留美さんも穏やかな笑顔を見せる。きょう22日は「いい夫婦の日」-。

 曜通さんは帯広出身。帯畜大を卒業後、25歳のときに後志管内倶知安町の北海道後志農業改良普及センターに普及員として赴任。同じく普及員として働いていた久留美さんと出会った。2年後に結婚。久留美さんは「父親が転勤族だったので、なるべく転勤の少ない人に嫁ぐつもりだったけど」と、笑いながら振り返る。

 夫婦は曜通さんの仕事の関係で同管内余市町や北斗市などを転々とし、その間に長男慶太郎さん(29)と長女環樹さん(27)の2人の子供に恵まれた。2003年の曜通さんの道立十勝農業試験場赴任で、芽室町に家を構えた。

 脳卒中で倒れ、半身不髄となった久留美さんの母さきさん(83)の介護を始めたのが04年。同じ時期に曜通さんの釧路管内標茶町への単身赴任が決まり、別居生活が始まった。「この時期が一番大変だったかもしれない」(曜通さん)。

 曜通さんは週に1度は芽室に帰り、久留美さんも月に1度は標茶に通った。久留美さんが家を離れるときは、さきさんをショートステイで施設に託した。「介護士さんの支えがなければ乗り越えられなかった」。こうした生活は、さきさんが本州の久留美さんの弟に引き取られるまで7年間続いた。

 曜通さんは今年3月、道留萌農業改良普及センターで退職。夫婦2人の暮らしが始まると思った矢先、国際交流機構(JICA)からラオスでの「南部メコン川沿岸地域参加型灌漑農業振興プロジェクト」参加について打診があり、7月から現地に渡った。久留美さんはそのときも、快く曜通さんを送り出したという。

 指導員としてラオスで力を注ぎ、帰国した曜通さんの、今の夢は自転車で旅行に出ることという。久留美さんは「また家を空けることになるけど、気持ちよく送り出したい」と笑顔で話す。(菅生佳孝)

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