煩悩焼き払え 本別・赤不動院 荒行 火渡り
【本別】煩悩や悪を焼き払う荒々しい炎-。真言宗醍醐派赤不動院(町向陽町、棚村憲昭住職)で5月28日、恒例の火渡り祭が開かれた。国家安泰や所願成就を祈る山伏行者の荒行の一つ。会場中央の護摩壇に点火すると炎が高く燃え上がり、読経や儀式が次々と繰り広げられた。
最高潮に達するのは燃え盛る火の上を通る火渡り。行者が炎の前で集中を高めると会場の空気もピンと張り詰めた。「はっ」。気合とともに祈祷(きとう)札を抱えた行者を先頭に4人が一気に走り抜けた。道内最大規模の儀式で、遠くは稚内から、最高齢は94歳の女性ら300人以上が訪れた。「本尊、行者、参拝者が一つになって祈ると不思議な力が生まれ、ご利益がある」。棚村住職は話す。写真・金野和彦 文 ・安田義教
響く読経
参拝者が見守る中、護摩壇が点火され読経の声が会場に響いた
願い
無病息災など願い事を書いた護摩木を炎の中に投げ入れる参拝者
挑戦
おき火になった後は、一般参拝者も歩くことができる。「大丈夫だよ、さあ、おいで」。行者に手を引かれて火渡りに挑戦する子供
清めの熱湯
行者による「湯加持(ゆかじ)修行」。煮えたぎった熱湯をかけ、心身を清め、煩悩や魔性を取り除く