レバンガ、アイシンに敗れ3連勝逃がす
バスケットボール男子のナショナルリーグ(NBL)第8節第1日は29日、帯広市総合体育館でレバンガ北海道(東地区6位)がアイシン三河(西地区1位)と戦い、62-89で敗れ3連勝を逃した。レバンガの多嶋朝飛(東海大-北陸高、帯大空中出)はゴールへのスピード感あふれるプレーでチーム一の6アシストを記録、得点も6と地元で躍動した。アイシンの柏木真介(中大-東海大四高、帯一中出)も3点シュート1本を含む5得点と4アシストをマークし、故郷で存在感を示した。通算成績はレバンガが4勝11敗で6位と変わらず。アイシンは開幕13連勝で首位を独走。地区が違うチーム同士が戦う交流戦で、十勝出身の両選手を応援しようと2049人が来場した。レバンガの今季のホームゲーム観客数は7試合目にして1万人を突破した。(岡部彰広、金野和彦)
司令塔 表情厳しく レバンガ多嶋
レバンガの多嶋朝飛(東海大-北陸高、帯大空中出)は、けがの阿部友和に代わり正司令塔として奮闘している。この試合も33分間の出場で6アシストを記録したが、チームは27点差で完敗した。
多嶋は柏木とのマッチアップのほか、第3ピリオドにはオフェンスリバウンドに体勢を崩しながらパスを出した柏木のボールをスチールし速攻。ファウルも誘って38-50と追い上げるなど会場を沸かせた。
しかしチームのシュート成功率は31・6%。対してアイシンは70・6%。リバウンド獲得数も25本対46本。「これだけ簡単に決められると流れは来ない。勝負できない」とぶぜんとした表情で試合を振り返った。第2、第4ピリオドはともに連続5分ほど無得点の状態が続くなど2連勝中の勢いはまるで感じられなかった。
昨シーズンに続く故郷での試合。「どのゲームも(シーズンの中の)一つの試合として勝つために戦っている」と特別視はしていないが、「これだけのお客さんが入っている。改善して40分間ちゃんとした試合をしたい」と厳しい表情で会見場を後にした。
存在感示し故郷で快勝 アイシン柏木
試合後、ベンチ前のコートで一番最後まで時間をかけてストレッチをしていた柏木の額には、汗が輝いたままだった。「懐かしい感じ。勝ててよかった」。爽快な笑顔で2年ぶりの故郷での快勝と連勝キープを素直に喜んだ。
第1ピリオドから軽快なプレーを見せた。1分すぎに柏木のスチールを起点に3ポイント(P)シュート成功率ランク3位の金丸晃輔に渡り8-2。2分すぎからは自らの3Pに211センチのスコット・モリソンへのアシストと、立て続けにポイントに絡み13-4とリード。チームを流れに乗せた。
第2ピリオドは1分でベンチに退き7分すぎに再びコートへ。206センチのギャビン・エドワーズへのノールックパスにディフェンスリバウンドと要所で存在感を見せた。
チームは、ゴール下などで11本全てのシュートを決めたエドワーズらの高さと7割を超えるシュート成功率で圧倒。「昨シーズンは悔しい思い(プレーオフ地区ファイナル敗退)をした分、今のところチームはすごくいい状態できているのかな」。24分の出場で、1本の3Pを含む5得点4アシストだった自身のプレーを含めて振り返った。
足のけがなどに苦しんできたが、12月で33歳となるベテランは今季、体重を4キロ落とし81キロ。もともと一桁だった体脂肪も7%にまで絞るなど体作りをしてきた。「しっかりしたパフォーマンスができるように考えてきた。痛いところはない。悪くないですね」。十勝・帯広が生んだバスケ界のヒーローは、チームの若さと高さに劣らず、アイシンの快進撃を支えている。
◇交流戦
▽第8節第1日
アイシン三河13勝 89(22-20 20-11 25-21 22-10)62 北海道4勝11敗
◆NBLについて
・試合日程 / 結果-NATIONAL BASKETBALL LEAGUE