飛行の安定性確認 大樹 東大 小型機安全性向上で試験 モデル機飛ばし実験
【大樹】東大工学系研究科航空宇宙工学専攻は13、14の2日間、町多目的航空公園で、小型航空機(ビジネスジェット)の安全性向上を目的とした飛行実験を行った。経済産業省の委託事業「航空機用先進システム基盤技術開発(先進パイロット支援システム)」の一環で、大樹では6月に続いて2回目。来年度の本格実験の前段として小型モデルを飛ばし、飛行時の安定性などを確認した。
小型航空機はパイロットの技能の差や突風などの気象条件により、旅客機に比べて事故確率が高いとされ、安全飛行のためのシステム開発が求められている。
同専攻は昨年度から同委託事業として取り組み、来年度までに機体の故障や破損を想定した飛行実験に取り組む予定。今年度は前段として、実験に使うビジネスジェットの小型モデル(全長、全幅各1・2メートル、重量2・5キロ)を実際に飛ばし、飛行性能を確認している。大樹での実験は今年からで、6月にも同様の内容で実施している。
今回の実験グループは同専攻の研究生ら15人で構成、2日間にわたり小型モデルを飛ばした。14日午前には、操縦士が滑走路の上空約100メートル付近で小型モデルを旋回させるなどした。同専攻の土屋武司准教授は「町多目的航空公園は広くて見通しが良いため、実験環境が素晴らしい」と話していた。
(佐藤圭史)