大樹町航空公園の気象情報 10分ごと取得可能に 円滑な実験支援
【大樹】町は新年度、町多目的航空公園(町美成)西側に設置している町気象観測所のデータ収集機器に、新たな送信用機械を増設する。これまで月次ごとだった美成地区の気象情報を、10分ごとに得ることができる。同公園付近では宇宙航空関連の各種実験が行われ、気象状況がその実施や中止の判断に大きく影響することから、町は「円滑な運営で、より良い環境で実験する一助になれば」としている。新年度予算案に81万円を盛り込んだ。
町は1989年、航空宇宙産業の誘致や災害対策などに運用するため、風向や風速を調べる装置を美成地区に設置し、地上風の観測を開始。91年には気温や湿度、降水量なども加えた。
日本気象協会に委託してデータを収集。町のホームページ(http://www.town.taiki.hokkaido.jp/)で閲覧でき、最新データを翌月上旬に月次で掲載している。
航空公園付近では、町と連携協力協定を締結した宇宙航空研究開発機構(JAXA、東京)が昨年から大気球の放球実験を行っているほか、NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC、札幌)や東海大学など多くの団体が使うなど、近年、利用実績が伸びている。
しかし、宿泊施設のある市街地から十数キロに位置することから、現場の気象状況が分かりづらかった。
より実験に集中できるようにと今回、データの送信用機器を設ける。5月中旬に稼働予定で、町は「付近の農家の収穫作業などにも利用してもらえれば」としている。
(北雅貴)