保護・修繕作業始まる 豊頃ハルニレの木
【豊頃】町を代表する観光名所で昨夏の台風による十勝川増水で被害を受けたハルニレの木の保護、修繕作業が13日に始まった。今年度から2021年度までの5年計画で行う延命措置で、町のシンボルを守っていく。
ハルニレの木は町指定文化財。2本の木の合体木で推定樹齢150年、樹高17~18メートル、枝を含めた幅は23メートルとされる。十勝川の堤防内の左岸河川敷にあり、木の半分近くが水に漬かり、上流からの流木がぶつかりダメージを受けた。すでに幹に入っていた縦の亀裂が広がった。
昨年8月末には応急措置として町職員らが亀裂を抑えるための結束ベルトを施し、同9月末には樹木医が診断。樹木医の助言を受けて同11月下旬にベルトによる調整作業を行った。一冬越した今年度からは本格的に保護、修繕に入る。
木に負担をかけないように5年かけて土壌改良を行い、根元から木の健康を保つ計画。同日は造園業者5人と町教委職員2人が訪れ、木の状況を確認。枝は約300キロ分をせん定して落とした。裂けた幹を結束するワイヤベルトの調整もした。
翌日以降は土壌改良の作業に入った。今年度はハルニレの木保護修繕に100万円の予算を計上している。町教委担当者は「心配していたが葉が繁っている。せん定したことで幹にかかる重さが分散した。今後の推移を見守りたい」と話す。(関坂典生)