両横綱や道産子力士一山本、観客5000人沸く 大相撲巡業十勝帯広場所
帯広市内のよつ葉アリーナ十勝で15日に開かれた大相撲巡業の十勝帯広場所(実行委員会主催、十勝毎日新聞社共催)は、5000人もの観客が詰め掛け、熱気に満ちた。旧帯広市総合体育館で2018年に行われて以来、十勝では7年ぶりの巡業。豊昇龍と大の里の両横綱の登場をはじめ、後志管内岩内町出身の前頭一山本の取組に、会場は大いに沸いた。(新井拓海)
取組は午後からで、中入り前には幕内力士や横綱らの土俵入りが行われた。場内には大きな拍手が湧き起こり、横綱の四股に合わせて「よいしょー」と、お決まりの掛け声も送られた。
幕内の取組では道内出身の一山本が土俵に上がると、歓声と共に客席に多くの応援タオルが揺れた。結びには両横綱がぶつかり、場内の熱気は最高潮に達した。互いが土俵際でこらえ、観客は何度もどよめいて白熱。最後は大の里が寄り切り、会場から惜しみない拍手が送られた。
幕内の取組前には、土俵上の2人の力士が、相撲の禁じ手などをコミカルに実演するしょっきりも披露され、会場は笑いに包まれた。
池田中3年で柔道に打ち込む石田悠伸さんは「自分から前に出る部分は柔道にも通じる。家族みんなが相撲好き。しょっきりはなかなか見る機会がなくて面白かった」と、花道脇でサイン色紙を手に、横綱を待ち構えていた。アルゼンチンから帯広南商業高校に留学中のカレーニョ・アビーさん(17)は「大きな体の人が戦っている姿を見たのは初めて。日本の文化を感じられた」と話していた。
この日は午前9時に開場し、力士との記念握手会には長蛇の列ができた。中札内村の玉田静江さん(84)は、夫の春雄さん(90)ら家族と訪れた。昭和の大横綱大鵬を祖父に持つ前頭王鵬、関脇若隆景の両力士の手を握り、「元気がもらえる。相撲が大好きでいつもテレビで見ている。力士の手はフワフワしていた」。音更町出身で埼玉県から帰省中の牧野亜希子さん(42)は、行列の最後尾に滑り込んで若隆景と握手し、「きれいな体に柔らかい手。間近で見たことがない」と、興奮した様子だった。
十勝相撲連盟理事長の小師国光さん(66)は「まわしを着けたことのない子どもたちが集まり、去年から再開した十勝大会に70人ほど出場している。今回の開催で十勝の相撲が復活してほしい」と話していた。
観客5000人沸く大相撲巡業 十勝帯広場所
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