帯畜大「ゼニ研」に前田一歩園賞 ゼニガタアザラシの個体数調査継続
【札幌】道内の環境保全活動や調査研究などに功績のあった個人・団体を顕彰する「第42回前田一歩園賞」の表彰式が16日、札幌市内で開かれ、日高管内えりも町や道東沿岸でゼニガタアザラシの個体調査を続けている帯広畜産大学の学生サークル「ゼニガタアザラシ研究グループ(ゼニ研)」(宮澤ハシャァニ亜実花代表)が受賞した。
同賞は自然保護思想の普及啓発、自然環境の保全と調査研究などで顕著な業績があった個人・団体に贈られる。今回の受賞者はゼニ研含めて1個人1団体。
ゼニ研は1982年、乱獲などで個体数の減少が確認された野生のゼニガタアザラシを保護することを目的に発足した。襟裳岬や道東沿岸で年4回、個体数調査(センサス)を行っている。近年は個体数が回復したものの漁業被害が深刻化してきたことから、活動目標を「保護」から「人間とアザラシの共存」とし、調査を続けている。
蓄積されたデータは環境省の「えりも地域ゼニガタアザラシ特定希少鳥獣管理計画」の策定に活用されるなど、これまでの継続的な活動が高く評価された。
表彰式では宮澤代表と安海七那さんが登壇し、表彰状と副賞を受賞。宮澤代表は謝辞で「先輩方一人一人の積み重ねが評価されたこと、自分もその一員になれたことを大変うれしく思う」と喜びを語った。
12月に記念行事
ゼニ研は12月7、8日、帯広市内のとかちプラザで「ゼニガタアザラシセンサス50周年記念イベント」を開催する。7日は午後1時半からシンポジウム、8日は午前10時から小中学生を対象にしたワークショップを行う。入場無料。問い合わせは実行委のフェイスブックかインスタグラムを参照。(道下恵次)