天国に届け!つばさバンド初ステージ披露 音更
【音更】音更町内の福祉施設を利用する知的障害者らを中心につくる「つばさバンド」(栗林美穂代表、メンバー13人)が28日、町内の社会福祉法人音更晩成園(東士狩西6線、中川康則理事長)で開かれた「ばんせいオータムフェスタ2024」(同法人主催)で初ステージに臨んだ。メンバーの一人で今夏に急逝した高橋健太郎さん(享年50)の写真を傍らに、メンバーは心を一つに最高の演奏を披露した。(内形勝也)
つばさバンドは、コロナ禍で活動を休止している間に指導者不在となり、存続の危機に直面。昨年7月下旬に、帯広市在住の音楽講師池田知佳士さん(72)を新たな指導者に迎え、存続の危機を回避した。
息を吹き返したバンドは、初ステージに向けて練習を重ねていたが、今年8月8日に、マリンバを担当していた高橋さんが急性くも膜下出血で亡くなった。バンドは、中心メンバーを失いすっかり意気消沈したが、高橋さんの姉敦子さん(51)がメンバー入りし、1カ月半後の初ステージを迎えた。
28日の同フェスタは、同園敷地を会場に午前10時に開幕し、約500人の来場者でにぎわった。つばさバンドのステージは午前10時20分から約20分間にわたって行われた。
電子ピアノ、ドラム、ベースギター、エレキギター、アコースティックギター、マリンバ、ボンゴ、電子クラリネットなど保護者や関係者含め16人が出演。ステージには、高橋さんの遺影を飾って演奏に臨んだ。
ゴダイゴの「銀河鉄道999(The Galaxy Express 999)」や、坂本九の「上を向いて歩こう」など全6曲を披露。「翼をください」(村井邦彦作曲)は、高橋さんの練習時の歌声を流しながら演奏した。
大勢の来場者たちからの拍手喝采を受け、初ステージは見事に成功。バンドマスターを務めた池田さんは「この日を楽しみにしていた高橋健太郎さんも天国からきっと見ていて、喜んでくれていると思う。みんなよく頑張った」とメンバーらをたたえた。
コンガを担当した清水宏修さん(34)は「たくさんの人がいて緊張したけど、楽しくいい演奏ができた」と胸を張り笑顔を見せていた。