活躍の場が拡大、看護の道を志す男性に存在感 帯広高等看護学院
看護現場で活躍する男性の増加を受け、帯広高等看護学院(佐澤陽学院長)でも、看護の道を志す男性が真剣な表情で学んでいる。医療現場では、男性看護師の担当業務も広がる傾向がある中、学校生活の中でも存在感を発揮。同学院も「(看護師の)社会的ニーズの高さに、やりがいを感じる男性も多いのでは」とする。(松岡秀宜)
団塊世代が後期高齢者(75歳以上)となり、医療・介護ニーズが高まる2025年以降は、回復期病棟や訪問看護ステーション、介護施設などで看護師の需要が高まるなど、医療現場全体で看護師が不足する傾向にある-とされている。
こうした状況を受け、男性看護師の活躍の場も拡大。以前は救急センターや手術室、精神科などに限られていたが、今は産婦人科などを除いて、ほぼ全ての診療科や訪問看護、介護施設などにも広がっている。
同学院に男性が最初に入学したのは1996年度。現在の場所に校舎が移転した99年度からは毎年入学しているという。本年度は1年生8人、2年生2人、3年生5人が学ぶ。
1年生の阿部潤誠さん(19)=帯広大谷高卒=は「親の友人など、親と同年代の人や、それ以上の年齢の人も(看護の現場で)バリバリ働いている。自分もそうなりたいと思った」と話す。3年生の圓道悠作さん(26)=帯広緑陽高卒=は、6年間の会社員生活を経験して看護師を志した。「けがも多い仕事だったため、助けてもらえる医療職に興味を持った。将来はふるさとの十勝に密着し、医療と福祉両方で活躍ができるようになりたい」と話す。
男性の受け入れに合わせ、同学院でも、女性トイレの一部を男性用に変更したり、男性教員を配置したりするなど、環境を整える。同学院は「先輩・後輩の縦のつながりを生かしたチームでの活動が得意な男性もいる」と説明する。
その上で「学生時代から(女性・男性が)互いに協力・役割分担を知ることで、より良い医療サービス提供にもつながる」と強調。「医療の道を志す男性は、看護師も進路の一つとして検討してほしい」とPRする。