渋沢ゆかりの地や夕食を堪能 清水町が渋沢栄一歴史体験
【清水】清水町開墾の基礎をつくった渋沢栄一ゆかりの青淵山寿光寺(町熊牛)で23、24の両日、町の新1万円札発行記念事業「渋沢栄一歴史体験」が行われた。渋沢が清水を視察したのと同じ日に町内で関わりのある場所をたどり、ちなんだ料理を味わった。
渋沢栄一の伝記資料などによると、渋沢は1908年8月23~25日に現在の清水町を視察旅行で訪れた。この日に合わせ歴史体験を企画し、町内外から15人が参加した。渋沢らの寄付を得て建立された同寺を拠点に、2日間で十勝開墾合資会社の農場畜舎(澁谷農場)などゆかりの地を巡った。
23日の夕食には、町内の慎鮨が調理する「渋沢栄一御膳(ごぜん)」が提供された。渋沢が好んだとされる「ほうとう」や「オートミール」などを使用。参加者は渋沢が食べたかもしれない味に思いをはせ舌鼓を打った。人気講談師神田京子さんによる講談会もあり、渋沢の生き様について清水町開墾のエピソードを交えながら熱演した。
24日は町の観光スポット案内や「十勝伝統料理の会」(町中央公民館主催)の試食会も実施した。釧路管内白糠町から友人と参加した田川春佳さん(32)は「新1万円札の肖像に選ばれたことで興味が湧いた。十勝開墾会社などを巡り、歴史を感じることができた」と話した。(小野寺俊之介)