3年間でCO2削減11トン 鹿追町「歩く、こぐ。Project」
【鹿追】鹿追町は、職員の徒歩・自転車通勤を推奨する「歩く、こぐ。project」の過去3年間の成果をまとめた。2021年5月~24年3月で延べ約240人が実践し、二酸化炭素(CO2)削減量は累計11・4トンだった。町企画課は「自家用車からのCO2排出削減は全道的な課題。今後も職員をはじめ、町民にも意義が伝わるよう周知していきたい」と話す。(小野寺俊之介)
町は2050年の温室効果ガス排出実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を21年3月に管内自治体で初めて宣言。プロジェクトには同年5月から取り組み、夏季限定の「ノーカーデー」ではなく、通年のマイカー通勤自粛を目標に掲げている。
CO2削減効果は、車通勤から徒歩、自転車に切り替えた職員の人数などを基に、1年を夏季、冬季に分けて算出。プロジェクト初年の21年夏季は5403キロと最も効果が高く、逆に積雪などで徒歩、自転車通勤が困難となる冬場は効果が低かった。22年冬季は最低の314キロにとどまった。
町によると、プロジェクトを始めた21年は、職員の9割近くが役場から半径約1キロ圏内に居住していながら、ほとんどが自家用車で通勤していた。取り組み以降は、コロナ禍のサイクリングブームも追い風となり、「確実に職員の行動変容が見られる」という。23年夏季には対象職員の約14%に相当する46人がプロジェクトに参加した。
町が21年1月、町民1200人に自動車の利用状況などを聞いたアンケートによると、通勤・通学、買い物、通院の3項目でマイカーの利用率は70%を超えた。町企画課はこのアンケート結果を「全道的な町村の傾向」と分析し、「脱炭素先行地域自治体として他町村のモデルとなる取り組みを持続していきたい」としている。