圧接業組合が独自の求人サイト開設 年間3万円で全国の工業高校などに案内
北海道圧接業協同組合(山田賢悟理事長、11社)は独自の求人サイト「ビジネスワークジョブ」を開設した。年会費3万円のみで登録でき、成功報酬は無料。山田理事長=SPH山田(帯広)社長=は「中小企業の多くは採用にかけられる費用が限られている。企業の負担を考慮した形で人材不足解消につながれば」と話す。
同組合は、鉄筋継手のガス圧接業を主とする道内企業で構成。ガス圧接継手に従事するには技量資格が必要だが、有資格者は年々減少し人手不足が深刻化している。同組合によると、組合内の有資格者は2008年の77人から現在は58人まで減少している。直近10年で大幅に減少が進んだとし、「全国的にも高齢化による退職者が多く、人手不足につながっている」と厳しい現状を訴える。
このような深刻な人材不足を背景に同組合は5月、求人サイトを開設。登録すると会社情報や募集案内が全国約2000カ所の工業高校や児童養護施設などに送られ、誰でも求人情報を閲覧できる。
道内15社が登録
現在、道内では鉄筋業や製造業など15社が登録し、管内からは磯部鉄建(帯広市)など2社が登録。同社の磯部正博社長(63)は「年間3万円で工業高校などに案内が届くため、若い技術者の獲得に期待したい」と話した。
今後は求人企業を全国に広めていく考えで、山田理事長は「圧接業と同じように深刻な人材不足の問題を抱えている業種はたくさんある。建設業に限らず、少しでも多くの人に活用してもらいたい」と話している。(廣田佳那)