点の取り合いで観客魅了 ソルプレーサ十勝とエスポラーダ北海道がプレシーズンマッチ
【新得】昨季のフットサル道リーグを制した社会人クラブのSorpresa(ソルプレーサ)十勝は6日、新得町総合体育館(サホロアリーナ)でFリーグ2部のエスポラーダ北海道と、初のプレシーズンマッチを行った。点の取り合いの末、ソルプレーサ十勝は4-5と惜しくも敗れたが、上位リーグのチームと互角の戦いを展開。約300人の観客を大いに沸かせた。(松村智裕)
攻守でハードワーク、躍進の予感-ソルプレーサ十勝
激しい打ち合いの中、攻守で最後までハードワークを貫いた。ソルプレーサ十勝は敗れはしたが、今季のさらなる躍進を予感させる戦いぶりだった。
後半開始1分の失点で1-3と劣勢に立たされたが、左サイドからのシュートやペナルティーエリア内への鋭いパスで相手守備を再三崩す。9分に神山黎がGKのこぼれ球を押し込むと、その1分後にはオウンゴールを誘発し一気に追いついた。再び2点差となった終盤には、GKも含めた5人全員によるパワープレーが成功。試合終了まで残り8秒で、宇治田カンジが豪快なヘディングシュートを決めて1点差に迫り、この日一番の歓声が響いた。
山本真太郎監督は「カテゴリーが上のチームに対して良い試合ができた。見ていたお客さんも喜んでくれたと思う。ポジショニングやプレーの精度など修正が必要な細かい部分も見えた」と収穫を口にする。
2月の全日本選手権ではFリーグ1部(昨季10位)のボルクバレット北九州に0-3で敗れた。昨季の道リーグ王者は、上位リーグチームとの力の差を痛感。帯北高出身の吉田愁平主将は「『あの時の悔しさは忘れないぞ』と選手間で常に言い続けている」と発奮材料にして練習に励んでいる。
今季の道リーグは26日に開幕し、8月4日によつ葉アリーナ十勝、同25日に芽室町総合体育館で試合が行われる。山本監督は「きょうの応援はうれしかった。これからも地元でフットサルの魅力を伝えられる試合をしたい」と力を込める。
チームの今季目標は、昨季は決勝ラウンドに進めなかった地域チャンピオンズリーグでの優勝。そしてもう一つある。「きょうは負けたが、今季の公式戦ではFリーグのクラブに絶対勝つ」と吉田主将。Fリーグ参入の大きな夢へ、あくなき向上心を燃やす。
F1復帰へ手応えのゲーム-エスポラーダ北海道
昨季のF1リーグで最下位となり、2部に降格したエスポラーダ北海道。今季からチームを引っ張る菅野大祐監督は「選手たちは昨季の成績で自信をなくした部分が多かった。打ち合いになったが、きょうのような負けないゲームができたことは良かった」と選手たちに合格点を付けた。
元日本代表GK関口優志(帯北高出)が3月、F1リーグのシュライカー大阪に移籍。守備の要を失ったが、この試合では今季から復帰した宮原勇哉や三浦憂ら帯北高出身の選手たちが鋭いドリブルやシュートなどで輝きを見せた。
Fリーグ2部は6月1日に開幕し、エスポラーダ北海道は都内でリガーレヴィア葛飾との対戦を控える。菅野監督は「きょうの試合で決定力やゲームコントロールの重要性を改めて感じた。1部昇格の目標に向け、日々できることをしっかりやりたい」と貧欲に勝利を求める。7月7日にはよつ葉アリーナ十勝での試合もあり、応援による後押しも期待していた。
好プレーに歓声、U12キッズも応援
会場には試合開始1時間以上前から観客が詰めかけた。ゴールデンウイーク最終日とあって家族連れの姿も目立つ中、迫力あるシュートの応酬やGKのファインセーブなど好プレーのたびに歓声がこだました。
電動車いすサッカーの日本代表候補に選ばれた経験がある町田佑介さん(30)=帯広市=は間近で観戦し、「迫力があって面白い。パス回しや動き方は電動車いすサッカーの参考になる」と刺激を受けた様子だった。
ソルプレーサ十勝の運営会社「ソルプレーサ・イノベーションズ」(清水町、大久保航也代表)は4月、清水町と包括連携協定を締結。今季から町内でソルプレーサ十勝U12が活動している。U12の子どもたちは選手と手をつないで入場するエスコートキッズを体験。永田哲真(てっしん)君(御影小3年)は「ちょっと緊張したけどうれしかった」。指導に訪れる選手たちの名前を叫び、「頑張れー!」と声援を送っていた。
◇プレシーズンマッチ
エスポラーダ北海道 5(2-1 3-3)4 ソルプレーサ十勝
▽得点
【エ】
(1)小原(1P13分)
(2)室田(1P17分)
(3)小原(2P1分)
(4)山本(2P11分)
(5)木村(2P18分)
【ソ】
(1)英(1P1分)
(2)神山(2P9分)
(3)OG(2P10分)
(4)宇治田(2P19分)