移動モール足湯、子ども地域通貨、絵本の国…TIP構想で10事業計画発表
新たな事業創発に取り組む起業塾「とかち・イノベーションプログラム(TIP)2023」の事業化支援セッション(最終回)が22日、帯広市内のインザスイートで開かれた。移動式モール温泉足湯ビジネスや、子どもを主役にした地域通貨の創設といったユニークな10事業計画が発表された。
起業家候補らが革新者(講師)や参加者同士で刺激を受け、チームで新事業を創発するプログラム。帯広信用金庫(高橋常夫理事長)主催、帯広市など管内全19市町村の共催、野村総合研究所(東京)が協力。今回で9回目。これまでに64構想が事業化され、「馬車BAR」などが誕生した。今期は58人が参加し、7月から14回のセッションを終えた。
移動式モール温泉足湯事業は、ふく井ホテル(帯広)に勤務する小松勇斗さんを中心としたチームで、すでに専用おけを導入し、中心部イベント「広小路マーケット」で実証。観光や健康、スポーツの会場や施設などでの需要を見込んでおり、今後は車に装置を付けたキャラバンも検討する。小松さんは「足湯列車の企画もやってみたい。『モールバレー』形成を目指す。イベントにぜひ呼んでほしい」とアピールした。
また、3人の子の母で、市民団体「ナチュラル輪おびひろ」の代表でもある中山三香さんが中核のチーム「NUOK」は、子どもが加盟店の手伝いなどをすると地域通貨を発行し、加盟店でも買い物できる事業を計画。12月10日に試験イベントを開催予定。「子どもが学校以外のつながりをつくり、自己肯定感の向上につなげたい」とした。
民営での移住支援や、全19市町村の絵本を作りイベントも行う「絵本の国」事業、熱気球のプライベート搭乗体験プランや宿泊施設を備えた拠点整備の構想なども発表された。
冒頭、高橋理事長が「TIPから十勝の看板に発展した事業もある。経営者の卵を中長期視点で地域を挙げて応援し、形にすることがミッション」とあいさつし、発表を見守った。最後まで聴講した米沢則寿帯広市長が10構想すべてを講評した。(佐藤いづみ)
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