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十勝でも「せき止め」品薄、全国でインフル流行 患者増で枯渇懸念も

インフル患者急増などの影響で、十勝管内でもせき止め薬や去痰薬が品薄気味になり始めた(帯広市内の調剤薬局)

 せき止め薬や痰(たん)を取り除く薬(去痰薬)が品薄となる動きが、十勝管内でも徐々に広がっている。医薬品メーカーの事情に伴う生産量減少に加え、全国的なインフルエンザ流行による需要増が要因で、これらの医薬品の供給や流通が安定するのは、「早くても年明け」(調剤薬局関係者)の見通し。十勝管内の医療現場は「まずは、インフルエンザや新型コロナウイルスに感染しないこと」と訴える。

 せき止め薬や去痰薬は、2020年末から相次いだジェネリック医薬品(後発薬)メーカーの不祥事による業務停止命令を受け、生産量が減少。途切れない新型コロナ感染者、全国的なインフルエンザの流行拡大、風邪のまん延による急激な需要増も、薬不足に拍車を掛ける状況だ。

 こうした状況を受け、厚生労働省は、医療機関や薬局などに「せき止め薬や去痰薬の処方を必要最小限に抑え、過剰発注を控えて」と都道府県を通して要請。医薬品メーカーにも増産を要請した。ただ、管内の調剤薬局は「年内に通常通りの流通体制になるのは難しい」とみている。

 十勝管内でも、医療機関が安易な長期処方を避けたり、患者の手元にある残薬を確認した上で処方したりする対応に加えて、薬局では系列店や地域で融通して過剰発注を控えるなどの動きが現れ始めた。

 現在は「ぎりぎりの状態」とする帯広市内の調剤薬局では、「錠剤から粉薬にするなど、患者の状態に合わせて処方している」と工夫する。別の調剤薬局では「急性期を優先し、慢性期の患者の処方日数は短縮している」などの影響を話す。同市内のクリニックは「処方を変えて漢方薬にしているが、漢方薬まで出荷が制限され始めた」と説明する。

 十勝管内では、すでにインフルエンザ「注意報」が発令され、23年第44週(10月30日~11月5日)の患者数は1定点医療機関当たり25・67人(速報値)。「警報」発令基準(30人以上)に近づくが「(コロナ禍前の)例年よりも早い流行で、ワクチン接種を予定している人も、まだ接種し切れていない。さらに増える可能性が高い」(帯広市内のクリニック)。

 帯広保健所でも、新型コロナ、インフルエンザ、アデノウイルス(咽頭結節熱)などの感染者や、風邪の患者が増えることで、「せき止めや去痰薬の枯渇も懸念される。まずは、感染しないことを心掛けてほしい」とする。(松岡秀宜)

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