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自然体でいられる部屋~人の気配

SONGBIRD COFFEEのオーナー、徳田夫妻

 現在、19本の弾き語りツアー真っただ中。12月9日には帯広公演も控えている。そのツアーの京都編が10月に開催された。会場はSONGBIRD COFFEE。二条城の近く、繁華街から少し離れたエリアにそのカフェはある。家具のデザインや販売をしていることもあり、センスの良いスッキリとした店内。外国人の姿も多い。

 そこで何度も弾き語りライブをさせてもらっているが、ライブの機材があるわけでも、それ用の照明があるわけでもない。つまり、ライブができることを売りにしているカフェではないのだ。ライブをするためには、スピーカーの搬入から行わなくてはいけない。良い音を作るために時間もかかる。

 それでも度々そこでライブをしたくなる理由は、オーナーである徳田夫妻の人の気配に他ならない。デザインや音楽が好きで、行くと自然と会話が始まり、友達の家に遊びに来たような感覚になる。お腹が空いたと言えば、名物の玉子サンドが出てきて、それを食べた僕は幸せな気分になる。そして、そのまま気持ちよくライブのリハーサルに入るのだ。

 もちろん今回の本番もバッチリだった。徳田さんが大切にしているSONGBIRD COFFEEという空間自体が素敵なことに加え、それまでの食事や会話、日常とつながりながら音楽を鳴らしている感覚が、僕の楽曲にもある『Some Rooms』と重なる。友達に話すようにMCをしたし、子供を寝かすための子守唄も歌った。最後の曲では店内の照明を全て落とし、窓の外の街灯を見ながらライブを終えた。

 自然体でいることは簡単なようで難しい。自分の意思に加え、周りに誰がいて、どう過ごしているのか。むしろそちらの方が重要だと言える。僕が自然体でいられる徳田夫妻に会うためにも、またSONGBIRD COFFEEでライブがしたい。


<Keishi Tanaka(タナカ・ケイシ)>
 ミュージシャン。1982年大樹町生まれ。帯広柏葉高卒。Riddim Saunterを解散後、ソロ名義での活動を続ける。V6への楽曲提供が話題になるなか、ニューアルバム『Chase Af-ter』をリリース。12月9日に帯広でのライブが決まっている。

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