日ハム2軍戦に4734人が声援、地元の女子球児が盛り上げ
プロ野球のイースタン・リーグ公式戦、北海道日本ハムファイターズ-読売ジャイアンツ戦が16日、帯広の森野球場で開かれた。今年は帯広で1軍戦が行われず、唯一のプロ野球公式戦となり4734人が観戦した。地元の球児も始球式やセレモニーで選手たちをもり立てた。
試合は、2軍で調整中の野村佑希選手(23)が一回裏、2点本塁打を放ったのを皮切りに乱打戦となり、日本ハムが12-7で巨人を破った。野村選手はファンによるヒーローインタビューで、「帯広の印象は」との質問に「応援が温かかった」と語った。
始球式では、十勝の中学女子軟式野球チーム「グラティアスウィッシュベースボールクラブ」のピッチャー、杉本栞南(かんな)さん(新得中2年)がマウンドに立った。鋭い球が日本ハムの田宮裕涼捕手(23)のミットに収まると、選手や観客から歓声が上がった。杉本さんは投球を「100点」と振り返り、「観客が多いときでも緊張せずいいボールを投げていきたい」と貴重な経験に感謝した。
試合前のセレモニーでは、小学生の女子軟式野球チーム「とかちスマイルレインボー」から、ピッチャーの山田れいさん(帯広栄小6年)が日本ハムの木田優夫監督に、ショートの福原慶乃さん(帯広光南小6年)が巨人の二岡智宏監督に花束を手渡した。
ファンを巻き込んだイベントもあった。試合前には来場者のベースランニングや選手のサイン会が行われ、五回終了後には日本ハムのマスコット「カビー」が来場者とラジオ体操で会場を盛り上げた。選手のサイン入りボールや十勝の野菜が当たる抽選会の賞品は、試合後当選者にグラウンド上で手渡された。
野球に熱を入れる子どもたちはプロのプレーにくぎ付けだった。所属チームでファーストを務める帯広栄小6年の難波竜矢さん(12)は「守備で、姿勢を低くし、ボールを見てしっかり伸びて取っているところが勉強になる」と話し、「1軍の試合を見に(新球場の)エスコンフィールドにも行ってみたい」と語った。
今季は新球場オープンなどで地方球場での1軍戦は行われず、来季は帯広開催を望む声も出た。幕別町から訪れた八重柏留美さん(45)は「今年は1軍が(十勝に)来ないのが残念だけど、2軍にもスター選手が多くて楽しめた」と話していた。(北村里沙)