日向醗酵食品社長に料理タレント園山さん就任
【音更】テレビなどで活躍するタレントで食作家の園山真希絵さん(45)が、音更町内に工場を持つ老舗納豆メーカー「ヤマイチ日向醗酵食品」(帯広市)の代表取締役社長に就任した。園山さんは「古来から食生活に深く関わる大豆を通じ、明日の食文化を守りたい」と話している。
園山さんは高校卒業時に食に目覚め、肥満やアトピーなどを克服、約30キロものダイエットに成功した。紹介制飲食店を経営し、テレビ出演や著作本出版などを展開。「人もよりよく発酵」を掲げ、発酵フーズ(東京)社長なども務める。
日向醗酵食品は1947年、日向金太郎氏(故人)が音更大袖振大豆を使った麹(こうじ)製造として創業。現在は十勝産大豆などを使った納豆や豆腐、油揚げを、音更町内の自社工場で製造する。資本金2000万円。
園山さんらによると、3代目の日向将仁氏が2020年に死去、同社では新たな事業承継先を模索していた。
農産物の卸売りを手がける戸田商事(東京)が、農林水産省の農業競争力強化支援法に基づく事業再編計画の認定を受け、3月末までに日向社の株式を100%取得。戸田商事側が発酵分野に造詣の深い園山さんに経営参画を依頼。後谷紘輝氏と代表取締役に就いた。
園山さんは「思春期、肥満で肌がぼろぼろだった自分を変えてくれたのが大豆食品。創業家や働いている人たちの温かさに心が打たれたほか、商品自体もこだわりを持ち、素晴らしい。私のネットワークを生かして販路を拡大し、恩返ししたい」とコメントした。
今後は自社製品と地域企業とのコラボによる新商品の開発、大量に破棄されているおからの活用手段を考え、地域創生につながる活動も行っていくとしている。(佐藤いづみ)