スーパーで卵不足深刻、高値に加え、数量制限も
十勝管内の多くのスーパーマーケット(SM)などでは今月に入り、卵の入荷量の少ない状況が続き、1人1パックなど販売を制限する動きが出ている。千歳市の養鶏場で鳥インフルエンザが立て続けに発生、大量の鶏の殺処分で鶏卵が激減しているため。生産回復までにはしばらくかかるとされており、昨年来の高値も相まって、関係者は不安を募らせている。
ダイイチ(帯広市)では今月上旬から卵について「1人1パック」に販売制限を始めた。入荷量が平均で予定の3割減の状況となっているため。同社はエリアごとに仕入れ先を持つが、協力体制を敷き、全社的に平準化を図っている。
コープさっぽろでは、管内4店を含む全店舗で今月5日から卵の販売を「1人1パックまで」と制限をかけた。通常は地域ごとに発注をかけ、幅広い種類を取り扱っているが、現在は本部一括で計画出荷されており、予定より大幅に少ない入荷量とする。帯広日高地区本部は「開店直後に売り切れる日もある」と話す。
フクハラ(同)は「1種類につき1点まで」の対応。入荷量は前年比4割少なく、10個入りのみの入荷で、4、6個入りはなし。営業本部は「エブリデーロープライス(EDLP)設定とする代わり、特売はやめたが、販売量が伸びている。不安心理で購入頻度が高まっているとみる」とした。
品薄の主要因となった、千歳での鳥インフルは先月末から今月上旬にかけ発生。関係者によると、全体の2割に当たる120万羽以上が殺処分された。
関係者によると、SMでは少し前までは1パック(10個入り)100円台だったが、現在は各店特売はせず、10個入り228~278円前後で売られている。物価高騰の影響で5月からはさらに値上げするチェーン店もあり、「卵は生活必需品なのでなるべく価格を上げたくない」との声も漏れている。(佐藤いづみ)