道政に望む十勝の声 「子育て地域差なく」「若者の営農支援」 道知事選告示
道知事選が23日、告示された。北海道のリーダーに託す思いを、さまざまな世代、立場の十勝の有権者から聞いた。
子育て・教育分野の政策を重視するのは、小学6年の息子と小学1年の娘を育てる芽室町のパート従業員市川奈津子さん(39)。医療費補助などの子育て施策は各市町村で差があり「芽室は子育てしやすい環境が整っているが、北海道のどこに住んでも充実した支援が受けられるのが理想」と話す。
4月から大学に進学する帯広市内の高校3年生、須田彩愛さん(18)は選挙で掲げた公約を守らない議員が多い印象があるという。「地域のどんな課題でもいいので、本当にマニフェストを遂行してくれる人に投票したい」と力を込め、給付型奨学金制度の拡充も望む。
医療・福祉関係者は新型コロナウイルスに振り回された。市内の看護師道下妙子さん(53)は発熱外来などを担当し「家族にも負担を強いた」。患者対応の通達や政策などが目まぐるしく変わり、「(院内の)マニュアルの改善は1度や2度ではなかった」と話す。「これまで以上に、現場の声を取り入れた通達や政策を考えるきっかけとなる選挙になれば」と注文を付ける。
大成塗装工業(音更)の長屋正宏社長(50)は「コロナ禍の中で、会社の人材確保と、それに見合う仕事量を獲得するのに苦労している」と漏らす。各候補が掲げる政策に、はっきりとした差は感じないとし、「道知事には中小企業の経営者のかゆいところに手が届くような地域の実情に応じた政策執行を」とする。
士幌町の畑作農家香西瑠理子さん(32)は今後の農作業について、IT化や自動トラクターの導入などが必要とし、「新しく就農した若者がきちんと経営できるサポート体制や、技術面のフォローをしてもらいたい」と訴える。
市内で私設博物館を営む参納弘義さん(83)は「農業王国で宇宙産業の発展も期待できる十勝と、大都市・札幌とのつながりをより強くしてほしい」と要望。「口だけではなく、道民のために汗水垂らして行動できる知事が望ましい」と話した。(統一地方選取材班)