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御影グレッズ6位、富田のペリグリン準優勝、SEIBU3位 女子日本アイスホッケーリーグ最終日

【順位戦・高須クリニック御影グレッズ―札幌インフィニティーズ】自陣から攻め上がる御影の(10)村谷智花(中央手前)

 アイスホッケーの第11回女子日本リーグファイナル(日本アイスホッケー連盟主催)最終日は26日、帯広の森アイスアリーナなどで決勝と順位決定戦を行った。Daishin(釧路)が2-1で富田ちなみ(帯南商高出)が出場した道路建設ペリグリン(苫小牧)に競り勝ち、初優勝を飾った。5位決定戦の高須クリニック御影グレッズは0-3で釧路ベアーズに敗れて6位。3位決定戦は太田こころ(帯大谷短大出)、野村春菜(音更高出)が出場したSEIBUプリンセスラビッツ(東京)がGWS(ゲーム・ウイニング・ショット)の末、4-3で志賀葵・紅音姉妹(共に帯三条高出)、伊藤優希(帯南商高出)、石田彩女(白樺学園高出)の所属するTOYOTA CYGNUS(苫小牧)を破った。リーグ個人成績はアシスト11で首位の石田が、ポイントランキングも16でトップだった。(古川雄介)

御影グレッズ6位「レベルアップしている」
 猛反撃も実らず釧路ベアーズに敗れた高須クリニック御影グレッズだったが、リーグ4強に次ぐ立ち位置が見えてきた。今季指揮を執る山口和良コーチは「5、6位を争うところまで来られたのは前進。基本の部分でレベルアップしている」と選手たちを評価した。

 前日の札幌インフィニティーズ戦はパワープレーで先制後に追いつかれ、互角の展開が続いたが、終盤にFW村谷智花(清水中)の2得点で競り勝った。「チャンスは全員で走って決める意識だった。相手のミスを確実に得点につなげられた」と村谷。

 Aマークをつける村谷をはじめ、メンバーのうち12人が伸び盛りの中学生。今季に向けてパスやレシーブ、スケートなど基本を徹底的に鍛え直した。「やる気のある子が多い。4強とは差がある体力面、技術面を2、3年かけて伸ばしていきたい」と山口コーチ。

 高校卒業後の進学や就職で、高いレベルを求めて上位チームに移籍するケースは多かったが、5番手の順位を確保できれば状況も変わる。村谷は「先輩に付いて頑張れば、チームはどんどん強くなる。個々の力を上げたい」と成長を誓っていた。

【決勝・Daishin-道路建設ペリグリン】ロースコアのゲームで集中した守りを見せたペリグリンの(25)富田ちなみ(右)

道路建設ペリグリンDF富田ちなみ「守り切れなかった」
 道路建設ペリグリンはDaishinに逆転を許し、連覇を逃した。両チームとも各ピリオド1桁シュート数の展開で、第2セットのDF富田ちなみも壁となって支えたが「我慢するべきタイミングでしっかり守り切れなかった」と悔しい結果になった。

 上位4チームの力が拮抗(きっこう)した今季は1次リーグで2敗を喫して最下位に。そこから調子を徐々に上げ、今大会の準決勝では1、2次L共に首位だったTOYOTA相手に自らもアシストを挙げて競り勝った。決勝も先制で主導権を握ったかに見えたが、「決め切る力の差が出た」と勝敗は非情だった。

 26歳はチームでもベテラン組。Aマークをつけて2季目で、「プレーはもちろんだが、しっかり言葉を掛けて引っ張るように意識している」。来月の全日本女子に向けてもう一度引き締めるつもり。「現状の実力はダイシンに負けている。勝つために自分もチームも上げていく」とリベンジに燃えていた。

【3位決定戦・SEIBUプリンセスラビッツ-TOYOTA CYGNUS】安定感のある守りで勝利に貢献したSEIBUの(27)太田こころ(中央)

SEIBUのDF太田こころ、第1セット起用で奮戦
 3位決定戦に回ったSEIBUは終盤に追いつかれ、GWSで勝利をものにした。第1セットで起用されたDF太田こころ(23)は「一つ目で出たかったのでうれしい。ただ自分のせいで失点しなければもっとスムーズに勝てた」と苦笑した。

 堅実な守りが光る太田は、相方が誰でも合わせられる対応力が持ち味。日本代表入りも狙うが「足りないのは攻撃力。ゴールに絡めるDFになれば選ばれると信じて努力している」。160センチとDFとしては小柄だが「体全体を使えるように」と、ウエートトレーニングに励む。

 第1回からリーグ8連覇を誇るSEIBUだが、3年目の太田には日本一の経験がない。「うまい選手がそろっているので、セット力をもっと上げれば、どのチームより強い」。奪冠へ、『滞氷時間は無失点』を目指す23歳の力は欠かせない。

Daishin・堤萌香主将の話
 一度も優勝したことがなかったので、ふわふわとした感じ。引き気味の守りになって先制されたが焦らず、第2ピリオドにリスクを冒さないプレーの中で取り返せた。3セットをショートシフトで回せたのが、走り続けられた要因。

◇7位決定戦
札幌インフィニティーズ 3(0-1 2-0 0-1 延長 0-0 GWS1-0)2 VORTEX SAPPORO

◇5位決定戦
釧路ベアーズ 3(3-0 0-0 0-0)0 高須クリニック御影グレッズ
▽得点
【釧】
(1)大森→小西→佐藤亜(1P3分26秒)
(2)中村(1P8分2秒)
(3)中村→大森→菅原(1P13分4秒)
▽反則
【釧】3(チーム、佐野、橋長)
【高】2(後藤2)
▽シュート数
【釧】30(14、6、10)
【高】35(8、14、13)

◇3位決定戦
SEIBUプリンセスラビッツ 4(1-1 1-0 1-2 延長 0-0 GWS1-0)3 TOYOTA CYGNUS
▽得点
【S】
(1)永野元→関→中川(1P8分58秒)
(2)太田→江口→関(2P6分59秒)
(3)大宮→関(3P8分21秒)
(4)長岡(GWS)
【T】
(1)石田→桜井芽(1P18分5秒)
(2)石田→山本→桜井乃(3P16分31秒)
(3)石田→志賀葵→佐々木(3P17分37秒)
▽反則
【S】5(永野元、小山、山下栞、山下光、鈴木)
【T】5(佐々木2、三浦、伊藤優、山本)
▽シュート数
【S】33(9、10、10、3、1)
【T】26(9、8、9、0、0)

◇決勝
Daishin 2(0-1 1-0 1-0)1 道路建設ペリグリン
▽得点
【D】
(1)山本→堤萌→小川(2P14分29秒)
(2)伊藤→浮田→野呂里(3P18分40秒)
【道】
(1)ラック→後藤(1P16分24秒)
▽反則
【D】1(冨内)
【道】1(小池)
▽シュート数
【D】17(5、7、5)
【道】18(5、8、5)

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  • 初優勝を飾ったDaishinの選手たちが笑顔で記念撮影した

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