高須クリニック御影グレッズ2回戦敗退、アイスホッケー女子日本リーグファイナル初日
アイスホッケーの第11回女子日本リーグファイナル(日本アイスホッケー連盟主催)第1日は24日、帯広の森アイスアリーナなどで準々決勝までを行った。高須クリニック御影グレッズは0-7でSEIBUプリンセスラビッツ(東京)に敗れて4強入りはならず、5位決定戦に回った。このほかTOYOTA CYGNUS(苫小牧)、Daishin(釧路)、道路建設ペリグリン(苫小牧)が準決勝に進んだ。(古川雄介)
御影グレッズ篠田安、守備の要として奮闘
地元開催に燃えた高須クリニック御影グレッズだが、8度の優勝を誇るSEIBU相手に力の差を見せつけられた。今季加入してAマークをつけるDF篠田安(18)=帯工高3年=もゴール前に張り付く場面が多かったが、守備の要として奮戦。「中学生の多いチーム。これから成長していける」と先を見据えた。
開始5分までに3失点と出はなをくじかれる展開。自ゾーンで回される時間が長い中、篠田らを中心に守備を立て直して第2ピリオドは1失点にとどめた。一方、6度のパワープレーは練習不足もあって形をつくれなかった。「ゴール前の混戦で勝ち切り、スコアを取る意識が必要」と、完封負けを反省した。
今季帯広クレインズレディースから移籍した篠田は、昨年12月に日本代表の欧州遠征に初参加。今年2月のハンガリー遠征も招集され、3戦全勝のゲームにいずれも出場した。「海外選手の体はでかいが、バトルで負けないようにした。少しずつ慣れてきた」。当然狙うのは次の五輪代表。163センチと大きくはないが、武器であるアジリティー(機敏性)を磨いて自分の立ち位置を確保するつもりだ。
代表では若手だが、社会人の少ない御影では180度役割が違う。「引っ張っていく立場になる。中学生をメンタル的にもサポートしていきたい」と自覚しながらチームと自らの成長を誓った。
伊藤優希、史上最年少22歳で100ポイント達成
TOYOTA CYGNUSのFW伊藤優希主将(22)=帯南商高出=が、準々決勝で女子日本リーグ通算100ポイント(ゴールとアシストの合計)に史上最年少で到達した。「中学1年生から出場していたので10年目での達成。両親も来てくれて、地元の応援の中で結果を残せたのは素直にうれしい」と笑顔がはじけた。
清水御影少年団で競技を始め、帯広レディースで腕を磨いて主将も務めた。2019年にトヨタ自動車北海道に入社し、現チームに移籍。攻撃の軸として、欠かせない存在になり、昨季までに通算29ゴール、62アシストを積み重ねた。輝かしい個人記録だが、帯広時代も含め「パスを出して、点を決めてくれるチームメートがいたおかげ」と謙虚だった。
試合を中断しての花束贈呈セレモニーには「急に呼ばれてびっくりした」と照れくさそうだったが、若手選手たちからはリスペクトの視線が注がれた。ベテランの引退が相次ぎ、若返ったチームは中学・高校生も元気がいい。初優勝に向けて引っ張る伊藤は「チーム内の争いは激しい。負けていられない」と刺激を受けている。
(24日)
◇1回戦
VORTEX SAPPORO 5(1-0 3-1 1-0)1 帯広クレインズレディース
▽得点
【V】
(1)北島澪→佐々木→奥村(1P2分26秒)
(2)北島澪→佐々木(2P6分56秒)
(3)北島澪→本間→佐々木(2P15分25秒)
(4)宮脇→月本→本間(2P19分41秒)
(5)宮脇→月本(3P4分51秒)
【帯】
(1)野澤→佐藤愛→佐藤礼(2P9分22秒)
▽反則
【V】3(藤本、本間、宮脇)
【帯】1(森田)
▽シュート数
【V】35(7、16、12)
【帯】20(6、13、1)
札幌インフィニティーズ 4(1-0 0-1 3-1)2 中学選抜
◇準々決勝
SEIBUプリンセスラビッツ 7(3-0 1-0 3-0)0 高須クリニック御影グレッズ
▽得点
【S】
(1)永野元→関→水野(1P35秒)
(2)山下栞→牛窪(1P2分22秒)
(3)永野元→関→水野(1P4分57秒)
(4)山下光→小山(2P14分51秒)
(5)大宮(3P4分0秒)
(6)宮崎→山下光(3P5分11秒)
(7)中川→鈴木花(3P9分7秒)
▽反則
【S】6(永野元2、宮崎2、関、曽我部)
【高】1(川上)
▽シュート数
【S】52(21、16、15)
【高】14(5、7、2)
道路建設ペリグリン 5(1-1 2-0 2-1)2 釧路ベアーズ
TOYOTA CYGNUS 19(10-0 2-0 7-0)0 VORTEX SAPPORO
Daishin 5(0-0 4-0 1-0)0 札幌インフィニティーズ