自治体とEVデータ共有へ 次世代自動車研究会
2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す「ゼロカーボン北海道」の実現に向けて、官民でつくる「十勝次世代自動車研究会」(代表・芳賀是則十勝総合振興局長)は来年度、電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)の公用車を持つ管内6市町と運行データの共有を検討している。
既に利用または今年度中に導入予定の帯広、鹿追、大樹、広尾、足寄、陸別の6市町に連携を呼び掛ける。走行距離や使用電気料などの運行データ、運転した職員の感想などを4月から1年間、毎月報告してもらう。データは同研究会や自治体間で共有する。
同研究会は、振興局や自動車販売店、電気事業者らでつくり、官民協働でEVなどの普及に取り組んでいる。その一環で管内19市町村に行った調査では、公用車への導入は進みつつあるが、「予定なし」も6自治体あった。理由には、航続距離の短さやバッテリー寿命に対する不安、充電施設数の少なさの回答が目立った。
十勝総合振興局のEV公用車のデータでは、十勝管内の移動であれば、庁舎以外で充電する必要のないケースが多かった。「誤解や知識不足で判断されている部分もあると思われる」(商工労働観光課)とし、他自治体の事例や情報を集め、提供していくことにした。同課は「導入予定がない自治体の後押しになるようなデータを積み上げていきたい」としている。(安田義教)