思い出の藤丸「元エレベーターガール 菊池宏子さん」
元エレベーターガール 菊池宏子さん(56)
憧れの仕事 とても楽しく 百貨店の顔 笑顔を心掛け
1987年から10年間、藤丸のエレベーターガールとして客を迎えた。「中学生のころからの憧れ。とても楽しい仕事だった」と振り返る。エレベーターで丁寧に客を案内する女性の姿がまぶしく映っていた。
1966年帯広市生まれ。帯広柏小、帯広第六中、帯広大谷高を卒業。珠算の段位を生かせると教員に紹介され、帯広駅のキヨスクに就職。2年半勤務した。3年目に藤丸のエレベーターガールの募集があり、転職。エレベーターガールは定員が限られ、欠員がなければ募集のない狭き門。喜びもひとしおだった。
最初に袖を通した制服は、紫がかった青いワンピースに同色のボレロ。制服は、同店2階のブランドの物で高級品。それも憧れの一つだった。「身にまとうと背筋がピンと伸びた」と話す。エレベーターガールは、最も多くの客と接する職で、百貨店の顔。笑顔と姿勢を心掛けた。「お客さまを心地よく迎え、見送りたかった」と話す。館内案内の業務の質を上げるため、売り場に細かく目を通し、取り扱う商品の知識を深めた。
エレベーターガールを引退後は、食品売り場などで勤務。2003年ごろからは係長として、食品売り場全体を管轄する。「お客さまに心地よく買い物してほしい」との思いは変わらない。1月末の閉店を前に、ゴディバの協力を得てバレンタイン用の売り場も設けた。「最後まで納得のいく商品を届けたい」と背筋を伸ばす。(吉原慧)
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