かちスポeye「生涯スケーター」
スタートリストに懐かしい名を見つけた。スピードスケートの全日本選抜帯広大会、女子1500メートルをさっそうと滑る姿は、大学生に交じっても遜色ない。私より1つ年上、48歳の今も現役で滑る田畑真紀さん(胆振管内むかわ町出身)=写真=である。
長きにわたり中・長距離の国内トップに君臨し、五輪5大会に出場したレジェンド。2018年に母校の駒大苫小牧高スケート部の監督に就任したのは知っていたが、しばらくスポーツ担当を離れていたので今も現役で競技会に出ているとは存じ上げなかった。
全盛期には十勝勢の前に立ちはだかる「強過ぎる」ライバルとして記事に登場してもらった。滑り続ける理由を聞くと「自分もレースに出る中で、技術的な気付きがある」と明かしてくれた。いつまで?と問うと「終わりはないですよ」と笑った。
帯広大会には3月に引退を表明した加藤条治さんも出場した。「これが特別なことにならなければいいですね」と田畑さんは話す。代表争いから離れたら、大会に出場できないルールなどない。若手の刺激にもなるし、この流れは面白いと感じた。(古川雄介)