発達障害の悩み、語って前向きに SEEDとかち始動
発達障害を抱える当事者と、その家族や関係者がお互いに支え合うピアサポート団体「SEEDとかち」が3日、発足後初めてとなる活動を帯広市グリーンプラザで行った。関係者と当事者がそれぞれ1時間ずつ経験を語り、苦労を分かち合った。(山田夏航)
同団体は、当事者家族の三浦直美さん(46)と当事者の白木明人さん(48)が共同代表を務める。当事者らが集う場をつくると同時に、発達障害に関する啓発イベントなどを通じて、誰もが暮らしやすい社会の実現を目指す。
この日参加した40代女性は、同居する発達障害とみられる義母との関係での悩みを告白。台所の使い方や生活音の大きさに時折怒りを感じてしまうことがあるという。「その都度、自分が受け入れなければと思っているが、どうしてもイラッとすることがある」と言い、そんな自身の性格にも嫌気が差して涙を流すこともあると話すと、白木さんらは「まずは自分を好きになることから始めてみては」とアドバイスした。
約20人が参加した当事者の部は、「発達障害と就労」をテーマに話し合った。メモの取り方や、感情的になった時の気持ちの切り替え方などが議題に上がり、白木さんや、三浦さんの夫で当事者の潤一さん(48)が今までの社会経験で得た対処法を語った。
聴講した椎名成市議(46)は介護施設長の経験も踏まえ、「発達障害の当事者の意見や悩みをじかに聞ける場は少ない。会社経営者や人事担当者も参加すれば、当事者を雇用する上で必要な情報や接し方を学ぶことができると思う。素晴らしい活動」と話した。
参加者は次回の開催に期待。潤一さんは「みんながウェルビーイング(幸福)でいられる社会を実現していくため、今後とも頑張っていきたい」と意気込みを見せた。