市営住宅に18~59歳単身者も 空き室対策で緩和検討 帯広市
帯広市は市営住宅の入居要件を緩和し、18~59歳の単身者も認める方向で検討している。近年、高齢単身者の応募が多く、エレベーターがない建物の上層階で空き室が増えているため、有効活用し、住宅に困っている若年単身者の支援につなげる狙い。
市営住宅は、低収入で住宅に困っていることに加え、親族や親族に準じた関係の人と同居することが入居要件。例外として60歳以上の高齢者や障害者、生活保護受給者などは単身入居を認めている。
3月末時点の市営住宅2794戸の入居率は89・4%。築年数が古くエレベーターがない建物では、4、5階の入居率が50~60%の住宅もある。
要件緩和により空き室が減り、高齢化が進む市営住宅の活性化も期待される。一方、全ての住宅に応募できるようにすると、例年4倍前後の応募倍率がさらに高まり、単身高齢者が入居しづらくなるなどの問題がある。
道内主要10市で、59歳以下の単身者の入居を認めていないのは帯広市を含めて4市で、このうち札幌市は協定を結ぶ大学の学生のみ特定団地の4、5階に限り入居できる。他の6市は入居でき、釧路市と苫小牧市は指定した住宅のみとしている。
27日に市内で開かれた市公営住宅審議会で、委員からは「新しい部屋はある程度の収入がないと入れないので、要件緩和は非常に有効」「コロナ禍で困窮学生もいるので広げることに賛成」などの意見があった。市住宅営繕課は「他都市の事例や審議会の意見を踏まえて論議し、年度内に方向性を決めたい」としている。(大海雪乃)