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白樺高の軍司が500自己新でV スケートオーバル競技会第2戦

【男子500メートル】自己ベストを大幅に更新する35秒62で制した軍司一冴(白樺学園高)

 スピードスケートの明治北海道十勝オーバル競技会第2戦が8、9の両日、同オーバルで行われた。男子500メートルは軍司一冴(白樺学園高3年)が自己新の35秒62で制した。同5000メートルは6分49秒97の自己ベストで齊下功聖(同3年)が制した。齊下は3000メートルもトップに立って2冠。ワールドカップ代表を狙う有力選手では、男子1000メートルの久保向希(JOYFIT)が1分10秒84で、第1戦に続いて貫禄勝ち。女子500メートルは山根佳子(登寿ホールディングス―日体大、帯柏葉高出)が38秒81で制した。(古川雄介)

■軍司、「大先輩」追い未知の加速
 白樺学園高の短距離エース、軍司一冴(いっさ、3年)が500メートル最終組で、同走のベテラン及川佑(大和ハウス工業―山梨学院大、池田高出)を逆転し、会心の35秒62をたたき出した。「胸を借りるつもりで滑った。追わせてもらった」と力を引き出してくれた大先輩に感謝していた。

 世界を知り、41歳の今も速さを追求する鉄人と滑るチャンス。100メートルを9秒86で飛び出した及川に吸い付くように、アウトスタートの軍司は9秒88と未知の加速を体感。バックストレートで背中を追い、スピードに乗った。36秒台の自己記録を大幅に更新した。

 滑りの変化を促す要因が2つあった。6月にひざに痛みが出たが、意図せずに脚部の筋肉の量が急激に増え、出力が上がっていたことが分かった。リハビリと別メニューの期間は長かったが、遅れて発現した体の成長と向き合った。さらに今季に向けてブレードを変更、氷をつかみやすいが扱いが難しいタイプを選び「自分でしっかり返す意識が必要」と動きを対応させようとしている。

 和田貴志監督は「バネはあるが暴れるし、細かいミスも多い。今回は完全に引っ張られたタイムだが、きっかけをつくってもらった」と潜在能力を確認した。まだ荒削りだが、一つ上のスピードを経験したのは大きい。全日本距離別選手権(21日から長野)にも参戦する軍司は「取れる権利は取りに行く」と貪欲な姿勢を見せた。

【男子5000メートル】正確なラップを刻み6分49秒97の自己ベストで滑り終えた齊下功聖(白樺学園高)

■齊下、1年時の自己記録更新
 長い足を生かした伸びやかな滑りで齊下功聖(白樺学園高3年)が長距離2冠を手にした。6分50秒を切った5000メートルは1年生時の自己記録を更新。「昨年伸び悩んでいたが、やってきたことがやっと形になってきた」と、ほっとした表情だった。

 昨季は技術の向上を考えるあまり、「毎回滑りが変わっていた」と齊下。インターハイでは団体追い抜きのメンバーとして活躍したが、個人種目は不発だった。今季に向け土台となる基本に立ち戻り、体の重心やスケートの返しの動きなどを見直してきた。

 トレーニングのため、自宅のある音更町駒場から学校までの片道24キロを毎日自転車で往復してきた。「自分はまだまだ卒業した先輩たちに劣る」と自覚しながら、地道に励む。昨季は長野県勢に席巻された長距離で、存在感を高めていきそうだ。

【男子1000メートル】ダイナミックな滑りで貫禄勝ちした久保向希(JOYFIT)

■久保、距離別向け仕上がり順調
 男子1000メートルの久保向希は全日本距離別に向け、直前まで練習の強度を高めていたことで体が重く平凡なタイムだったが、「トレーニングの流れ、体の仕上がりは悪くない」と手応えはあった。

 今季は帯広から移動せず、じっくりと技術面の改善に取り組んできた。ストレートでの滑りについて「体が真ん中に残っていた」と表現。横軸の移動で推進力を生む「体ごと運ぶ感じ」の滑りはあくまでベースだが、「まだ50%くらいの出来」と突き詰めていく。

 先輩選手の引退も相次ぎ、距離別ではナショナルチーム組とワールドカップ代表を争える数少ない存在だ。「モチベーションは高い。ユニオンチームから波乱を起こしたい」と気持ちを高めて臨む。

■山根、W杯代表へスタート改善
 山根佳子は女子500メートルで38秒81と上々のタイム。全日本距離別を見据え「ここまでは順調。焦ることなく、やるべきことをやって調整したい」と充実の表情だった。

 課題とする100メートルの入りは10秒81。昨年の五輪選考会(10秒83―38秒79、10位)と同水準だが、「しっかり加速して通過できた」と感触は悪くない。力まずスムーズなスタートに試行錯誤しているが「少しずつつかみかけている」と出口が見えてきた。

 現時点での理想は1年前の全日本距離別でマークした10秒7という。このスタートで38秒58をたたき出し、W杯初代表を射止めた。「最低限のライン」と位置付ける代表入りは、100メートルがかぎを握る。

(4位以下関係分、10位まで)
【男子】
◇500メートル
(1)軍司一冴(白樺学園高)35秒62
(2)武田京乃(池田高)36秒24
(3)及川佑(大和ハウス工業-山梨学院大、池田高出)36秒27
(4)藤中秀斗(白樺学園高)36秒31
(5)笹渕遥人(帯農高)36秒32
(6)辻本楓芽(白樺学園高)36秒36
(9)佐竹柊真(開西病院)36秒75
 
◇1000メートル
(1)久保向希(JOYFIT)1分10秒84
(2)笠原光太朗(専大-帯三条高出)1分11秒25
(3)武田京乃(池田高)1分11秒51
(4)辻本一史(三重県スポーツ協会-専大、帯農高出)1分12秒01
(5)軍司一冴(白樺学園高)1分12秒16
(8)藤中秀斗(同)1分12秒484
(10)佐竹柊真(開西病院)1分13秒67
 
◇1500メートル
(1)笛木陽空(法大)1分53秒21
(2)西山侑吾(明大-帯三条高出)1分53秒54
(3)林拓磨(白樺学園高)1分53秒65
(4)山角蓮(明大-池田高出)1分54秒19
(8)小丹枝海斗(帯農高)1分54秒59
(10)宮坂大地(白樺学園高)1分55秒40
 
◇3000メートル
(1)齊下功聖(白樺学園高)3分58秒36
(2)林拓磨(同)3分58秒64
(3)小丹枝海斗(帯農高)4分2秒03
(4)立花英太郎(白樺学園高)4分3秒79
(5)藤田耀司(帯三条高)4分5秒66
(6)寺町凌太(帯農高)4分8秒33
(7)宮坂大地(白樺学園高)4分8秒59
(8)佐藤哲太(同)4分11秒05
(9)長岡歩太(帯一中)4分18秒86
(10)石川詩月(白樺学園高)4分20秒23
 
◇5000メートル
(1)齊下功聖(白樺学園高)6分49秒97
(2)立花英太郎(同)6分58秒92
(3)村下巧(JSFエリートアカデミー、星槎国際高校帯広学習センター)6分58秒97
(5)佐藤真翔(JSFエリートアカデミー、星槎国際高校帯広学習センター-鹿追中出)7分0秒73
(7)堀川雄大(大樹中)7分4秒54
(9)山角蓮(明大-池田高出)7分11秒00
(10)小坂陽汰(池田高)7分11秒61

【女子】 
◇500メートル
(1)山根佳子(登寿ホールディングス-日体大、帯柏葉高出)38秒81
(2)上鹿渡双葉(JOYFIT栃木-信州大、帯柏葉高出)39秒96
(3)松澤優花里(サンエスコンサルタント)40秒02
(4)笹渕和花(帯七中)40秒25
(5)長﨑叶和子(富士急-池田高出)40秒61
(6)河原莉緒(帯三条高)40秒83
(7)今井柊嘉(帯農高)40秒93
(8)松島未来(同)41秒03
(9)今井千陽(札内中)41秒66
(10)田中萌々子(帯三条高)41秒80
 
◇1000メートル
(1)神長汐音(全日空商事)1分19秒32
(2)松澤優花里(サンエスコンサルタント)1分19秒68
(3)畠山雪菜(小海高)1分20秒38
(4)長﨑叶和子(富士急-池田高出)1分20秒76
(5)水戸咲良(高崎健大-帯三条高出)1分21秒21
(6)川村聖亜(イヨテツ-白樺学園高出)1分21秒88
(7)山田怜歩(帯三条高)1分22秒07
(8)今井柊嘉(帯農高)1分22秒34
(9)松島未来(同)1分22秒40
(10)久保杏奈(白樺学園高)1分22秒58
 
◇1500メートル
(1)賀来真穂(ダイチ)2分2秒32
(2)百瀬愛美(同)2分3秒27
(3)小島楓(帯三条高)2分5秒06
(4)川村聖亜(イヨテツ-白樺学園高出)2分5秒41
(5)河原莉緒(帯三条高)2分6秒41
(6)飯田明音(JSFエリートアカデミー、星槎国際高校帯広学習センター)2分6秒54
(7)平林美優(同、同)2分7秒03
(8)藤岡日菜(帯農高)2分7秒15
(9)奥秋智佳(白樺学園高)2分7秒34
(10)山田怜歩(帯三条高)2分7秒46
 
◇3000メートル
(1)賀来真穂(ダイチ)4分16秒62
(2)百瀬愛美(同)4分18秒61
(3)飯田明音(JSFエリートアカデミー、星槎国際高校帯広学習センター)4分25秒39
(4)前田梓(白樺学園高)4分25秒85
(5)小島楓(帯三条高)4分26秒52
(6)平林美優(JSFエリートアカデミー、星槎国際高校帯広学習センター)4分28秒11
(7)藤岡日菜(帯農高)4分33秒39
(9)高橋弥恵(同)4分40秒32

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