航大機逸脱 「方向保持できず」 初単独訓練中 羽田線4便に影響
とかち帯広空港で25日午前11時ごろ、航空大学校帯広分校の訓練機が滑走路をオーバーランした事故で、操縦していた学生が「離陸動作開始後、訓練機の方向保持ができなかった」と話していることが分かった。航空大学校(本校宮崎市)は事故原因を調べている。この事故で、同空港に乗り入れている日本航空、エア・ドゥの合わせて4便が遅延または欠航した。
同校によると、訓練機には学生1人が乗っており、5分ほど上空を飛ぶ単独飛行の訓練中だった。学生はこの日が初めての単独飛行訓練だったといい、「方向保持ができず、そのまま左に逸脱した」という。乗っていた学生にけがはなかった。国土交通省の運輸安全委員会は、機体に損傷がないことなどから重大インシデントには当たらないと判断した。
今回乗っていた訓練機は同校で使われている自家用小型プロペラ機シーラス式SR22。同校は同日午後に機体を撤去し、機体の調査を進めるとともに、学生や教官に話を聞き事故の原因を調べている。
今回の事故を受けて、同空港は同日午前11時10分ごろから約1時間半にわたり滑走路を閉鎖。これにより羽田発JAL575便と折り返しの帯広発JAL572便がそれぞれ1時間遅延、羽田発エア・ドゥ65便とその折り返しの帯広発エア・ドゥ66便は欠航となり、乗客447人に影響があった。
同校では2020年に、訓練機が着陸後に滑走路に逸脱する事故があった他、11年には帯広空港を離陸した訓練機が剣山(芽室町)の南斜面に墜落し、教官と学生合わせて4人が死傷する事故も起きている。