樹齢数百年、音更のニレの巨木倒れる
カワアイサの営巣スポット
【音更】音更町役場本庁舎西側の千畳敷公園に隣接する緑地帯に立っていたニレの巨木が、9日までに倒れた。カモ科の鳥カワアイサがこの木の穴で営巣することが知られており、関係者は心を痛めている。
倒木したニレは樹高約20メートルで、幹回り4・5メートル、推定樹齢は数百年といわれている。カワアイサやフクロウ、リスなどが集まり、写真愛好家らの間では撮影ポイントの一つでもあった。
町などによると、激しい雷雨があった4日の夜に倒木したとみられる。高さ6メートルほどの部分から折れ、内部は経年劣化により、ほとんど空洞の状態だった。
第一発見者の千畳敷自然を守る会メンバーの吉田登さん(90)は「毎年のようにカワアイサが卵を産んでいた木の一つなのでショック」と肩を落とす。
カワアイサは公園一帯の樹木で営巣し、付近の千畳池で一時過ごした後、音更川に子育ての場を移す。同会は例年、川に移動するため道路を横断する子連れのカワアイサを安全に誘導していた。今年は5月に2回あったが、その後は確認されていなかった。同会の山西信一会長(72)は「寿命だったんだね。中味がほとんど空洞だったのには驚いた」と心を痛めている。(内形勝也)