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サーモン品薄 ウクライナ侵攻で北欧産「迂回」 回転ずし

品薄と価格高騰が続くノルウェー産の生サーモン(金野和彦撮影)

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け、輸入の水産物に影響が広がっている。ロシア領空の飛行が禁止となり、迂回(うかい)で空輸しているノルウェー産の生サーモンは運送費がかさみ価格が上昇。帯広市内にある回転ずしチェーンでは、基準を満たす大きさの生サーモンが入荷せず、提供できない日が続いている。その分、地場の水産物で対応する店もある。

 帯広市内に回転寿司「なごやか亭」3店を展開する三ツ星レストランシステム(釧路市)では、ノルウェー産の生サーモンを市内と釧路管内の7店で1日約10キロ仕入れているが、3月上旬から大きさの基準を満たす生サーモンの量を確保できず、チリ産の冷凍サーモンと広尾町産のサクラマスで対応している。

 同社は「夏にかけては大樹町産トキジャケもあるので、地場の旬のネタで対応していく」(加藤章弘道東支社長)とする。

 市内の「回転寿し魚まる」では、ノルウェー産の生のサーモンは入荷しているが、1月時点で1キロ2000円前後だった仕入れ価格が、3月には2400円前後に高騰した。

 ロシア産のウニやカニも価格が上がっており、全体の原価は前年同時期に比べて15%増と「致命的な数字」(新谷准康代表)。3月上旬に全品を5~10%値上げしたばかりで、「さらに(仕入れ値が)上がれば、値上げするより、提供しないという選択になる」と話した。

 帯広地方卸売市場は「サーモン全体のうち、ノルウェー産の生サーモンは2割程度を占めるが、支障なく入荷できている」とする。今後の海産物全体の供給について、「ロシアへの海産物の禁輸制裁が見送られる方向になり、大きなダメージは回避できたが、北方領土周辺の漁業交渉の停滞やロシア産への不買運動の広がりを懸念している」(小澤直樹常務)とした。(大海雪乃)

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