北京五輪男子500の村上選手をカイロで献身サポート 帯広の後藤院長
北京五輪スピードスケート男子500メートルに出場する帯工高出の村上右磨選手(29)=高堂建設、日高管内浦河町生まれ、帯広市育ち=の活躍に、人一倍期待を寄せる人がいる。後藤カイロプラクティックオフィス(帯広市西3南23)の後藤雅博院長(58)は村上選手の体のケアに取り組み、献身的にサポート。「五輪で金メダルを取るという村上くんの夢をかなえてほしい」と12日夜の本番での本領発揮を願っている。
2人の出会いは村上選手の高校時代までさかのぼる。「当時からスケートをやっていることは知っていたが、まさかこんな大選手になるとは」と振り返る。
カイロプラクティックは手技によって筋骨格系の状態の改善、神経機能の正常化を図る施術。以前は一般通院者と同様の対応だったが、村上選手が2018年平昌五輪出場を逃し、「私も残念だった。何かできることをしたい」と直訴。20年春からアスリート用のケアを本格的に導入した。
上半身の筋肉の左右差を改善し、カーブワークで重要な骨盤の安定性向上にも着手。体の位置を認識する頸椎(けいつい)の感覚なども微調整している。コロナ禍で直接面会できない際には、ビデオ会議システム「ズーム」でエクササイズを指導した。
村上選手は今季、ワールドカップ事前合宿地のドイツで練習中に転倒。けがをして調子を崩した状態が続いたが、五輪直前まで体の状態改善を図った。村上選手からは北京入り後、「昨季の良かったころのストレートが戻った」と通信アプリ「LINE」で連絡があった。
後藤さんはカイロプラクターのスタッフとして、16年リオデジャネイロ五輪と、昨年の東京五輪・パラリンピックに参加。東京パラでは女子走り幅跳び(視覚障害T12)のリンダ・ハムリ選手(アルジェリア)に処置し、右脚の痛みを緩和。ハムリ選手が競技後に訪れ、後藤院長に銅メダルをかけてくれたことが印象深いという。
村上選手の場合、後藤院長が体の動きが良いと感じた時には、好成績を挙げてきた実績がある。「北京五輪では思った通りの体の動きができ、最高のパフォーマンスが可能なはず。期待できますよ」。村上選手から金メダルをかけてもらえる日を心待ちにしている。
(松村智裕)