積極性とシュート力武器 FW志賀紅音 北京五輪女子ホッケー
【中国・北京=北雅貴】初の五輪の舞台を踏んでいる志賀紅音(20)。持ち味の積極性とシュート力を生かし、1点を争ったチェコ戦でも何度もゴールに向かった。第2ピリオド(P)7分ごろは、ゴール裏からのパスを受けてシュート。同じセットの床秦留可(24)からの受けたパックをワンタイム(ダイレクト)でシュートもした。相手の反則で1人多いパワープレーの好機には、姉の葵(22)と共にプレー。重要な場面で起用された。「試合を重ねるごとに、スピード感や相手の体の強さに慣れてきた」と力強く話した。
2018年の平昌五輪では直前で日本代表から漏れた。五輪と同時期に開催された全日本女子選手権Bに帯広レディース(現帯広クレインズレディース)の一員として出場。決勝で1ゴール1アシストを決め、Aプールへの昇格に貢献した。「(日本代表を落選して)すごく悔しかった4年前は今でも覚えている。同じ思いをしたくないからこそ、今を頑張れている」と振り返る。
翌年に帯広で行われた女子U18世界選手権で主将を務めた。最下位の厳しい結果に「体格差があり、自分のプレーが全然出せなかった。どう生かすかを考えるようになった」。帯広レディースではDFだったが、代表や高校卒業後に入ったトヨタシグナスではFWに転向した。負けん気の強さと闘志を出す性格で、昨年8月の世界選手権では世界ランキング1位の米国相手に2ゴールを決めるなど活躍した。「周りとの連係も取れてきてやっとFWらしくなってきたかな」と成長を実感した。
コロナ下の昨季から、苫小牧市内で2人で暮らす姉と陸上トレーニングに汗を流し、体力づくりに励んだ。今大会は6日間で4試合。100分55秒もプレーしている。「これまでなら、連戦や長いプレー時間でばてることが多かった。今回は足がしっかりと動いている」と、地道な練習の成果を感じている。
姉と共に清水御影少年団で「ホッケーの基礎を教えてもらった」と感謝の気持ちを忘れない20歳。1次リーグはデンマーク戦を除いて、ロースコアの接戦が続いた。決勝トーナメントへ向けて、「シュートを決め切らないと国際試合では苦しい展開になる。もっと貪欲にゴールを決めたい」と目を輝かせた。