中学校で全国平均上回る 全国学力テスト 帯広市
帯広市教委は、今年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の市内の結果をまとめた。中学校は国語と数学で平均正答率が全国を上回った一方、小学校は国語・算数ともに下回った。市教委は小学生の学力向上や、小・中学校ともに学校間の差が開いたことを課題と捉え、「重点化」「共有化」をキーワードに新たな学校支援に取り組む考え。
昨年度は新型コロナウイルスに伴う一斉休校で中止となったため、2年ぶりの実施。帯広は2019年度に比べて小学校で全国との差が広がり、算数で3・9ポイント、国語で2・9ポイント開いた。中学校は国語で0・5ポイント、数学で0・9ポイントそれぞれ全国を上回り、数学は全道より2・2ポイント高かった。
小学校では国語が「話すこと・聞くこと」「書くこと」「思考・判断・表現」など、学習指導要領の内容や評価の観点などすべてで全国平均正答率を下回った。算数も、「測定」がほぼ同等となった以外はすべて下回った。
中学校は国語の「読むこと」「読む能力」が全国平均を下回ったほかは、「話す・聞く能力」などすべての項目で上回った。数学では「図形」「数学的な見方や考え方」などで全国を大きく上回った。
市内で平均正答率が最も高かった学校と最も低かった学校との差は、小学校が国語で27・6ポイント、算数で26・9ポイント、中学校は国語で17・0ポイント、数学で23・1ポイントだった。また、全国の「正答数の少ない層」と同じ範囲に含まれる児童の割合は、小学校国語で3・6ポイント、算数で4・7ポイントそれぞれ全国より多かった。
小学校で全国との差が開いた点について、市教委は「さまざまな要因が考えられる」とした上で、「算数の勉強が好き」や「1日当たり1時間以上勉強する」と回答した割合が全国・全道を下回ったことから、学習意欲や家庭学習の取り組みも影響しているとみる。
市教委は新たな取り組みとして、各校がテーマを設定し課題解決を目指す「1校1実践」に取り組む。各校の取り組みは共有化し、「市全体の底上げを図っていきたい」としている。(澤村真理子)
<全国学力テスト>
小学6年生と中学3年生が対象。今年は5月27日に行われ、帯広市は小学生1228人、中学生1174人が受けた。前回の2019年度は中学校で英語も導入されたが、今回はなかった。