十勝初「介護医療院」開設、療養病床の半数転換 帯広西病院
公益財団法人北海道医療団(帯広、小林光樹理事長)は今月、帯広市西23南1の帯広西病院に、「介護医療院」を開設した。療養病床のうち半数の46床を転換し、病院内に併設する介護保険施設として運営する。慢性期の医療処置が必要で、療養生活が長期にわたる高齢者の新たな受け皿になる。介護医療院の開設は十勝管内では初めて。
介護医療院は、法改正で2018年に創設された、介護と医療を提供する介護保険施設。国はこれまで高齢者らが長期入院してきた療養病床に対し、「介護型」は介護医療院への転換か廃止を進め、「医療型」は医療の必要度が高い患者向けに再編した。
同法人では、西病院の3、4階に設ける医療型療養病床92床について、半数は継続し、残りは介護医療院に転換する方針を決定。3年前から道や帯広市などと協議しながら準備を進め、4階の46床の居室環境を整えた。1日から介護保険施設としてスタートした。
院長は西病院の高橋邦康院長が兼務し、常勤医師や看護師、介護職員、ケアマネジャーらを配置した。要介護1以上で、経管栄養やたん吸引の医療処置が必要な高齢者が対象で、療養病床からの移行を中心に開設時は入所者41人が入った。
「社会的入院」などで医療費が膨らむとして見直された療養病床だが、他の施設や在宅で受け入れできない患者の対応が課題になっていた。こうした患者は団塊世代の高齢化に伴い増えると見込まれ、同法人では地域ニーズを踏まえて転換を決めた。
高橋院長は「病院や特別養護老人ホームで受け入れられず、隙間にいる人たちの受け皿がどうしても必要になる。地域で安心して預けられる選択肢の一つとして考えてもらえればいい」と話している。(安田義教)