本町にクラフト専門店が移転 幕別 地域の新規開店17年ぶり
【幕別】革製品の制作、販売を手掛ける吉田亜美さんのクラフト専門店が町札内から本町84へ移転した。吉田さんが本町のイベントスペースで開催した作品展で出会った人たちに魅力を感じ、移転を決めた。牛を中心に、羊や鹿を使った普段使いできる革製品が並んでいる。町によると本町で物販・飲食業の店舗が新規開店するのは17年ぶり。
吉田さんは札幌市出身。会社勤務の傍ら、さまざまな手仕事、工芸に興味を持ち、長野県で開かれた「クラフトフェアまつもと」を訪れたのがきっかけで革細工に傾倒。長野県で1年間革細工を学んだ後も創作欲が冷めず、道具一式をそろえ約10年前に十勝に移住した。
札内にあった雑貨店で革製品の委託販売を続けた後、この雑貨店が閉店した跡で2015年に「Yoshida Leather Works(ヨシダレザーワークス)」を開業した。
転機は今年春。本町のイベントスペース「Makura Showcase(マクラショーケース)」で、吉田さんが親交のある作家に呼び掛け、「つながりマルシェ」を4月に開催。吉田さんは、マクラショーケースが立場や世代を超えたボランティアの手で自主的に運営されている点に感銘を受け、本町という地域に興味を持つようになった。JR幕別駅前で空きテナントになっていたクリーニング店の物件を見つけ、周囲の後押しもあって今月1日に移転した。
新店舗は「amina+(アミナプラス、)と名称を改め、販売・制作スペースとした。店内には、吉田さん自身が生活のシーンごとに「あったら便利」と感じる、S字フックや通帳・書類入れなどの革を使った生活雑貨が数多く並んでいる。客の希望に応じた革製品も制作する。そのほか、幕別にゆかりのある作家の作品を集めたコーナーも今後設ける予定だ。
吉田さんは「札内の店舗は前の雑貨店を知る人がお客さんとして通ってくれたこともあった。今回は新たな店舗で自分の力で幕別にゆかりのある作家の作品を並べるなどし地域を盛り上げたい」と意気込む。
営業は午前10時半~午後4時。火-木曜定休のほか、イベント出店で臨時休業する場合もある。問い合わせは同店(080・3432・3179)へ。(本田龍之介)