サイクルルート「トカプチ400」完走に挑戦 帯広の小川さんら
日本を代表する自転車道「ナショナルサイクルルート」として国土交通省に指定された「トカプチ400」(延長403キロ)を1日で完走する試みが、19日に行われた。ルート設定に携わった帯広市の小川宣幸さん(47)ら3人が挑戦。今回は完走とはならなかったが、自己最長となる286キロを走行した。来年夏以降のイベント化を目指し、関係者と協議を進めている。
トカプチ400は、帯広市を起終点に管内12市町村を8の字で結ぶルートで、2017年に設定された。
小川さんは11年ほど前に友人の勧めで自転車に乗り始め、趣味や仕事として活動の幅を広げている。「十勝サイクルツーリズム研究会」(現北海道TOKACHIサイクルツーリズムルート協議会)の一員として、トカプチ400のルートを設定。今回は、過去に成し遂げた最長200キロ走行の記録突破のほか、来年開業予定の「道の駅おとふけ」を発着点に、1日で完走を目指すイベント「1dayトカプチ400」の開催に向け、試走も兼ねて挑戦した。
19日は午前3時ごろから、小川さんが代表を務める自転車チーム「十勝バイシクルプロジェクト」の片桐正晴さん(45)=帯広=とJR帯広駅を出発。途中、足の痛みで片桐さんはリタイアしたが、同チームの古井(こい)健太郎さん(44)=同=が午後から参加し、畑作地帯に広がる景観を楽しみながら疾走した。その後、体力面や安全面などを考慮し、259キロ地点の「道の駅なかさつない」から引き返すことにした。
小川さんは景色を楽しむだけでなく、「食料や水分などの補給ポイントが少ないなど課題点も見つかった」と話す。計画中のイベントは「十勝の夏を楽しんでほしい」と6月下旬の週末を予定。「トカプチは本来、点在する観光スポットを楽しみながら、2~3日かけて走行するルート。『1日で400キロ』を参加者のシーズン目標として挑戦してもらえれば」と呼び掛けている。(石川彩乃)
<ナショナルサイクルルート>
自転車観光の推進などを目的に2019年に創設。(1)ルート設定(2)走行環境(3)受け入れ環境(4)情報発信(5)取り組み体制の5項目で一定の水準を満たすと指定される。トカプチ400のほか「しまなみ海道サイクリングロード」(広島県、愛媛県)など全国で計6カ所が指定されている。