帯広出身の青山さん、日本初「クラブハウス」内の楽曲制作に参加
【東京】話題の音声型SNS「Clubhouse(クラブハウス)」内で行われた、日本初の楽曲制作に、帯広市出身の歌手青山みつ紀さんが参加した。青山さんは作詞の一部と作曲を担当。メインボーカルも務めた。国内の著名なミュージシャンなど、偶然その場に集ったメンバーがわずか4時間で完成させた曲は、クオリティーの高さも話題となり、5日、配信リリースされた。
青山さんがクラブハウスを利用し始めたのは1月28日。中学時代の同級生からの招待がきっかけだった。その日の午後9時に「誰か一緒に曲作る?(シンガー歓迎)」というルームを偶然見つけて入室。使い方が分からず、退出しようと押した手のマークが「さよなら」ではなく「挙手」だったことから、トークルームに最初のスピーカーとして招かれた。
DJでプロデューサーのTAARさんと音楽プロデューサーデュオのMASAtOさんの2人が設けたそのルームには、シンガー、ラッパー、トランペット奏者、ギタリストなど9人が集った。
ベースの音源を基に、青山さんは作曲と、クラブハウスの様子をイメージした1コーラス分の作詞を1時間で提出、それぞれの奏者が自分のパートを作り、意見を出し合いながら「Clubhouse」と名付けた曲を完成させた。青山さんはボーカルとして2コーラス目を担当した。
レコード会社の人やライブハウスオーナーなどが聴いていて、リリースやライブの企画も持ち上がるなど、話が進むスピードの速さに驚いたという。
その後も音楽グループ「m-flo(エム・フロウ)」のtakuさんが訪れて大絶賛。自身のSNSやラジオで話したり、日本テレビのワイドショー「スッキリ」で報じられたりと話題に。
クラブハウス内でも口コミで広がり、青山さんが他のルームに参加するたびに「4時間で曲を作った人ですよね?」と声を掛けられ、憧れだったプロデューサーや有名ユーチューバーなどとも接点ができた。
青山さんはコロナ禍でライブもなくなったことから、昨年8月「あまり得意ではなかった」作曲に取り組もうと、キーボードを独学でマスターし、曲作りを重ねてきた。「少し怖かったが『いける』と思い名乗りを挙げた。自分磨きの成果が形になった。出会えないはずの人とのつながりを一気に広げることができた」と喜ぶ。
今年は、1月29日に新曲「Beautiful day」を発売。今後、毎月違うアーティストやプロデューサーらとコラボした曲を出していく予定。コロナの状況を見ながら、帯広と東京でライブも計画している。(植木康則)
<Clubhouse>
2020年春、米国で誕生した、電話とラジオの機能を掛け合わせたような音声ベースのSNSサービス。招待制で、「room」と呼ばれるテーマ別の部屋を選び、音声会話をする。参加者は会話に参加できる「スピーカー」、聞くだけの「オーディエンス」に分かれており、管理者に許可されれば、発言が可能になる。利用は18歳以上で原則本名。内容はログとして残らない。