新成人の前撮りシーズン 帯広など延期で来年にずれこみも
来年1月の成人式や「成人の日」を控え、十勝管内の呉服店や写真スタジオが、晴れ姿の前撮りをする新成人でにぎわっている。一方、新型コロナウイルスの影響で成人式が延期された帯広市などでは、「式が近づいてから」と撮影時期を延ばしたケースも見られる。
帯広市内の京屋呉服店では、新型コロナウイルス対策で「密」にならないよう午前と午後に1組ずつ前撮りを受け付けている。
29日には士幌町の長田愛音さん(19)が母親と訪れ、明るい色の振り袖姿で写真を撮影。「名古屋の専門学校に通っているので、久々に友人に会えるのが楽しみ」と成人式を心待ちにしていた。
宮本征和社長によると、例年はゴールデンウイークや夏休み、年末年始を中心に前撮りの需要が多い。一方、今年は5月下旬の緊急事態宣言解除から客足が伸びた。学生はオンライン授業が多かったことから、「撮れる時に」と5~7月に分散して来店する動きがあったという。
例年1月に開く成人式について、帯広が8月、音更が5月など延期の動きがある。前撮り時期も同様で、再来年の新成人の受け付けも始まっていることから、来年は2学年が重なりそう。ただ、延期で成人式の参加を諦める声は少なく、26日にペパーミントグリーンの振り袖で前撮りした帯広市の下村日和さん(19)は、「楽しみにしていたので中止にならずに良かった。今は学生だが、8月だと社会人。同窓会ができたらうれしい」と前向きに話した。(松田亜弓)