豚丼のぱんちょう 店舗老朽化のため一時閉店 仮店舗で10月にも営業再開へ
帯広市内の老舗豚丼店「ぱんちょう」(西1南11、山田美鶴代表)は、老朽化のため現店舗を取り壊す。31日から休業し、10月に市内の仮店舗で営業を再開する予定。同店は「新型コロナウイルスの感染予防のため、お客さまが殺到しないよう突然のお知らせになり、申し訳ない。長く営業を続けるために必要なことだった」としている。
同店は1933年に創業。70年に建て替え工事を行ってから50年経過したこともあり、床にひびが走る箇所があるなど老朽化が進んでいた。店舗は木造2階建てで、1階に客席、2階に調理場があった。
店ではほかにも大きな変化が。約60年にわたり調理場に立ち続けてきた3代目の阿部孝之さん(80)が5日に引退。創業者の阿部秀司さん(故人)の孫に当たる4代目の辰巳博史さん(48)が、初代から門外不出で受け継がれてきた豚丼のたれを作っており、代替わりも果たした。
30日は午後4時半ごろにのれんをしまい、静かに営業を終えた。休業前最後の客となった帯広出身で40年以上同店に通う佐々木健滋さん(51)=札幌市、会社経営=は「出張で帯広にいたので食べに来たが、休業と聞いてびっくりした。子どもの時から見てきた現店舗の取り壊しは感慨深いものがある」と話した。
仮店舗は市内の空きテナントを借りる予定。現住所での新店舗オープンを検討している。(本田龍之介)