「Youはどこから?」 鹿追駐在所がユニークな啓発活動
【鹿追】新得警察署鹿追駐在所は「道の駅しかおい」で、「Youはどこから鹿追へ?」と銘打ったユニークな啓発活動に取り組んでいる。旅行者の心理を巧みに突き、楽しみながら交通安全・防犯意識を高めてもらうことを狙う。
道の駅のスタンプラリー用のスタンプ台付近に、日本地図と北海道地図を貼り出し、来訪者にそれぞれの居住地にシールを貼ってもらう仕掛け。地図の余白に警察と町がそれぞれ、事件・事故防止に向けた注意喚起のビラを掲示し、訪れた人の目に自然に触れるようにした。
考案した同駐在所の押野見祐司所長自身がスタンプラリーの愛好者という。「スタンプを押し、(道の駅のピンバッジを販売する)ガチャを回し、売店をちょっと見て回る」という自身の行動パターンに照らしながら、単に啓発チラシを設置するだけでは旅行者の目にほとんど入らないと判断。他方、対面での啓発活動は新型コロナの影響で制約がある。
そこで思い出したのが、かつて訪れた道南の道の駅で、来訪者がどこから来たか地図にシールを貼って答えてもらう取り組み。「自分の足跡を残せるところが面白く、いつか活用してみようと思っていた」と企画を温めていた。
1日から始めたところ、2週間で100枚を超えるシールが貼られた。
およそ8割は道内客だが、首都圏を中心に道外各地にもシールが貼られている。9月末まで継続する予定で、道の駅の入り込み状況のデータを取りたい町も結果に期待しているという。
啓発内容は車上狙いやあおり運転、野生動物との接触など、旅行中に遭ったら楽しい気分が一瞬で吹き飛ぶ事案の抑止が中心となっている。
押野見所長は「面白くない思いをしないで済むように、事件・事故に気を付けて」と呼び掛ける。(丹羽恭太)