教職員や保護者らの支えに感謝し甲子園初勝利を報告 帯農高野球部ナイン
高校野球の甲子園で初勝利を挙げた帯広農業ナインが17日午後、帰帯し、同校で教職員や保護者らに試合の報告と感謝の気持ちを伝えた。井村塁主将(3年)はあいさつで「最後の試合に勝てて、支えてくれた人たちに恩返しができてよかった。保護者や先生が指導してくれたからこそ、ここまで野球ができた」と語った。
帯広農業は16日の甲子園交流試合(兵庫県西宮市)で、高崎健康福祉大高崎(群馬)に4-1と快勝。笑顔でひたむきにプレーする姿が、道内外で感動を呼んだ。
ベンチ入りした選手と帯同メンバーの計26人と前田康晴監督らは17日、昼前に伊丹空港を出発し、新千歳空港からバスで帯広へ。午後4時20分ごろ、「祝 帯農 甲子園初勝利」の懸垂幕が掲げられた生徒玄関前に到着した。「お帰りなさい。感動をありがとう!」の横断幕も制作して迎えた教職員や保護者、一足先に十勝に戻った下級生部員らが拍手で出迎えた。
その後、選手たちは慣れ親しんだグラウンドに移動し報告会に臨んだ。井村主将の父で、帯広農業高野球部保護者会、同部協賛会会長の哲也さん(46)=幕別町、農業=は「全国に勇気と感動を与えられる素晴らしい試合だったと思う。子どもたちを本当に誇りに思う」と健闘をたたえた。
二木浩志校長も、試合での礼儀正しさや全力疾走を見せた選手たちに「(コロナ禍で)つらかったと思うが、甲子園での1勝で締めくくってくれた。これから新たな1世紀を迎える帯農の魂を全国に見せつけてくれた」とねぎらった。
試合では昨秋の関東王者に臆することなく立ち向かった。井村主将と水上流暢選手(3年)の継投と、三つの併殺を完成させる守備力を武器に快勝。前田監督が「3年生を中心に本当に頑張ってくれた。暑かったが、笑顔で帯農野球を一丸となって100%やってくれた結果。素直な子たちばかりで、最後にベストゲームをしてくれた」と驚く、大舞台での成長ぶりだった。
選手たちはそれぞれ保護者や指導者らに感謝しつつ、「すごく良い野球人生を送れて最後に勝てて良かった」「甲子園での経験を(今後の人生に)生かして成長したい」「もう一度、甲子園に行き、2勝、3勝できるように頑張りたい」などとあいさつした。
甲子園交流試合は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった第92回選抜大会(3月)に出場が決まっていた32校を招待し、各1試合を行った。帯広農業は21世紀枠で選出されていた。(北雅貴)