帯広信金助成金で居酒屋「きなり」開店 芽室
【芽室】帯広信用金庫(高橋常夫理事長)の「おびしん街のあかり」助成金を活用して3月、町東1ノ2に居酒屋「食楽屋 きなり」が開店した。新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた中での開店で当初は客足も少なかったが、4カ月がたち、徐々に町民の憩いの場として定着し始めている。
帯広信金が日本財団「わがまち基金」の交付金で取り組む地域創生支援計画の一環。町商店街への新規出店に対し、資金の一部を助成する。活用第1号店として「十勝芽室さくら亭」(町東4ノ2)が昨年11月に開店した。帯信金芽室支店の鈴木智広支店長によると「(助成に関する)問い合わせや申し込みは多数いただいている」という。
きなりは、店主の五十嵐雄一さん(43)と羽柴彰子さん(40)が切り盛りする。現店舗にあった居酒屋「こころ」が2019年1月末に移転。知り合いだった五十嵐さんと羽柴さんは飲食業の経験は無かったが、「この通りが暗くなってしまう。子どもの頃から料理が好きだし、空くならチャレンジしてみよう」(五十嵐さん)と決意し、同年9月から準備を始めた。その準備の中で、五十嵐さんが所属する町商工会青年部の部員から助成金のことを聞き活用した。
店名は、喜びが成就することを願う「喜成り」から。「お客さまと喜びを分かち合う居心地のいいお店」をコンセプトに、楽しい居場所を提供する。
当初のオープン日は3月1日を予定していたが、新型コロナの影響で同16日に延期。その後の休業要請も重なり打撃を受けた。現在は徐々に客足が戻り、週3回訪れるリピーターもいるという。
おすすめは鶏の空揚げやチャーハン、6種類のピザなど。どれもボリューム満点で、メニューの数は豊富。内装の多くは羽柴さんが考え、明るい雰囲気の店内になっている。五十嵐さんは「これからはもっと芽室の食材を提供し、町を明るく元気にしたい」と意気込む。羽柴さんも「今は忙しいが楽しくて仕方がない。時間を忘れてゆっくり過ごしてほしい」と話した。
営業時間は午後6時~同11時(同10時45分ラストオーダー)。毎週日曜、第3月曜が定休日。弁当やオードブルのテークアウトも行っている。予約は前日午後7時まで。
問い合わせはきなり(0155・62・0500)へ。(細谷敦生)