JALスタッフがライブカメラにじゃんけん ネットで注目 帯広空港
飛行機を笑顔で見送った後はカメラに笑顔-。とかち帯広空港の日本航空(JAL)スタッフが、飛行機の出発後に空港ライブカメラに向かって行う“パフォーマンス”がネットで注目を集めている。「じゃんけん」などのゲームをカメラに向けて行い、視聴者と交流している。新型コロナウイルスの影響で運航便が減る中、スタッフは「お客様と遠くからでも関われれば」と願っている。
「今日は何かな」「じゃんけんのボードが出てきた!」-。
午後3時35分、空港駐機場。東京への出発便を地上から笑顔で見送ったカウンター業務や搭載業務のスタッフ約10人が、空港の様子を配信するライブカメラ前に移動する。運ばれたホワイトボードには「じゃんけん」と書かれ、裏返すと「チョキ」の絵が。スタッフがチョキの仕草で手を振る様子はインターネット上で生配信され、読者のコメント欄には「負けた~5連勝ならず」「この空港面白い」などのメッセージが次々と寄せられた。
出発後の“パフォーマンス”を始めたのは、新型コロナ感染拡大が続いた4月中旬から。外出自粛など行動制限の影響で、JALは運航便が1日4便から1便に減り、搭乗客も減った。
業務が縮小する中、スタッフは飛び立つ飛行機へ向けて「一緒に頑張ろう」と横断幕を掲げていたが、「搭乗客以外の方ともコミュニケーションを取れれば」と試行錯誤。十勝毎日新聞社が空港に設置し、同紙電子版で生配信するライブカメラに着目し、「画面を通してやりとりができればと思った。お客様と関わる場所を作りたかった」とカウンター業務を務める岡坂めぐみさんは振り返る。
最初は「元気?」と書いたボードを持ち、どんな反応が寄せられるか緊張したが、視聴者から「元気!」「面白い」と反響が。その後ボードを使った「じゃんけん」「あっち向いてほい」、水で地面に絵や文字を描くアートと3種類のレパートリーをそろえた。どれを行うかは天候とスタッフの気分次第だ。
視聴者は当初100人ほどだったが、現在は400人ほどに。ファンがパフォーマンスを「とかち帯広空港 JALスタッフからの特別企画」と名付け、YouTubeに編集して投稿する動きも出ている。
カメラに向かってパフォーマンスをする空港は珍しく、岡坂さんは「搭乗客だけがお客さまではない。好意的に受け止めていただいてよかった」と交流を楽しむ。発案した1人の関口昌利さん(搭載業務)は「いま考えるとコロナ以前の(当たり前の)状況がありがたい。お客さまのおかげでモチベーションも保てる」と話す。
パフォーマンスはいつまで行うか未定だが、玉置健一空港所長は「お客さまをお受けできる体制をとれることが大前提」とする。7日は水で書いた文字によるクイズを行うなど、新たな試みも登場。回答や感想はコメントか、通常時に戻ったときにスタッフに伝えてみて-。(松田亜弓)