受刑者逃走を想定して訓練 帯広刑務所と帯広署
帯広刑務所と帯広署は7日、受刑者が逃走したとの想定で訓練を行った。昨年、愛媛県の刑務所から受刑者が脱走した事件が起きたことも念頭に、100人態勢で初動対応などを確認した。
合同訓練は2年ぶり。速やかに身柄を確保し市民への二次被害を防ぐため、刑務所と警察の連携を深める狙い。受刑者が刑務所外にある農場で作業中に、有刺鉄線の外側に逃げたとの想定で行われた。
訓練では刑務所が110番通報した後、近くの4小中学校に連絡し、職員を2人ずつ派遣して警戒に当たった。対策本部が置かれた帯広署では、タクシーとバス会社に受刑者の身体的特徴などを伝え、情報提供を要請。周辺で検問を実施し、約1時間後に逃走役の身柄を確保した。
訓練を統括した帯広刑務所の縄野臣(ひとし)首席矯正処遇官は「警察との情報共有はスムーズだったが、内部の情報伝達の精度をもっと高めたい」と話した。(高田晃太郎)