写真集「スーパー最後の日」をプレゼント 豊頃
【豊頃】町内唯一のスーパーマーケットだった「スーパーアグリ茂岩店」の閉店日(6月29日)を1日密着取材した町出身の写真愛好家浦島久さん(66)=帯広市在住=が20日、自費出版した写真集「スーパー最後の日」(非売品)を、同店を経営していた豊頃協同商事の高橋敏典社長(66)にプレゼントした。
同店は6月、開店以来23年間の歴史に幕を下ろした。豊頃協同商事の高橋社長と60年来の友人である浦島さんは、閉店日の午前6時半に高橋社長の自宅を訪れて一緒に朝食を取るところから密着取材を敢行。高橋社長や従業員、来店客たちの表情などを中心に午前8時15分の開店から、同日午後6時の閉店までに約1000枚の写真を撮影した。
出来上がった写真集は、約30センチ四方のハードカバーで、表紙には接客する高橋社長の後ろ姿を使った。浦島さんがこの日撮った写真の中から厳選した98枚を28ページにわたり掲載。浦島さんは「一つの物事を立派に成し遂げた人間の姿を撮影することができた。敏典はきっと喜んでくれると思う」と話していた。
高橋社長は6月29日以降も残務整理のために毎日のように来店し、忙しくしている。今月末には清算手続きを終え、完全閉店となる。写真集を浦島さんから受け取った高橋社長は「ページをめくるたびに久の優しさが伝わってきた。妻は写真集を見てうれし涙を流して喜んでいた。一生大事にしたい」と話している。(内形勝也)